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岩田日銀副総裁が初の会見、「下振れリスク小さい」
February 6, 2014 / 8:53 AM / 4 years ago

岩田日銀副総裁が初の会見、「下振れリスク小さい」

[宮崎市 6日 ロイター] -日銀の岩田規久男副総裁は6日、宮崎市内で講演し、その後に記者会見した。日本を代表するリフレ派の論客として昨年3月就任したが、地元経済界と意見交換する金融経済懇談会への参加と公式な記者会見は、今回が初めて。

2月6日、日銀の岩田副総裁は、宮崎市内で講演し、その後に記者会見した。写真は昨年3月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

下振れリスクが高まれば追加緩和を辞さない姿勢を示したものの、「下振れリスクは小さい」と明言。債券市場の物価見通しを示すBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)が順調に上昇しているとして、現行の異次元緩和の政策効果に自信を示した。

<市場動揺の原因は米中の経済指標、米経済心配ない>

岩田副総裁は午前中の講演で、景気の現状について「生産から所得、支出への前向きの循環メカニズムが働いていることから、緩やかな回復を続けている」としつつ、消費増税の影響について「駆け込み需要とその反動と、可処分所得の減少を通じて経済に影響を及ぼす」と指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)など新興国経済の弱さが、日本の輸出の弱さに影響しており、「これらの諸国の今後しばらく成長に勢いを欠く」との見方を示した。

ただ、午後の会見では、午前中の講演で言及した消費増税や海外経済のリスクについて「(それらの)下振れリスクが大きいから触れた(言及した)のでない。リスクは比較的小さい」と述べた。

輸出に影響の大きいASEAN経済も「時間はかかるが、先進国経済が回復すればASEAN経済にもよい影響を与える」とし、先々に回復するとの見通しを強調した。

一方、最近の株価急落など金融市場の動揺については「米金融緩和縮小が原因とされるが、であれば昨年5月以降動揺していたはず。米国と中国の経済指標が市場予想より弱かったのが原因」との見解を示した。

もっとも米指標の弱さは「寒波も一因」とし「米経済家計の過剰債務解消で消費・住宅投資も堅調。心配していない」との見通しを示した。

その一方で「将来いろいろなことが起こり得る。上下に振れるリスクに対して適切な政策取る姿勢に変わりない」と、リスク顕在化の場合には、追加緩和を辞さない姿勢も示した。

<BEIは5年物重視>

物価連動国債から試算される市場の期待インフレ率(BEI)は「(昨年発行された)10年物による指標よりも、データの蓄積が多い5年物による指標を重視している」と指摘。

5年物BEIが昨年末から急上昇しているのは「米金融緩和縮小の影響を市場が消化しているため」との解釈を示した。その上で「マネタリーベースと予想インフレ率の関係は非常に安定しているのが確認された」とし、副総裁就任前から主張してきた日銀による資金供給量の拡大が、物価を引き上げるリフレ派の理論の正しさが証明されたとの見方を示した。

<グロスの国債買入れ額は変動、市場への「配慮足りなかった」可能性も>

日銀が異次元緩和で示している長期国債の保有残高を年間約50兆円増やすとの規定について「これは「(償還分を差し引いた)ネットベースの数字」と強調。償還による保有分の減少を補うグロスベースの買い入れ額は「過去に買い入れた国債の償還額との兼ね合いで増減する」と説明した。「市場の一部ではグロスベースの買い入れペース増減が金融緩和姿勢の変化を示すように捉える向きがあるので、説明した」という。

市場で思惑を呼んだ点について「配慮が足りなかったかもしれない」と述べた。

<2%に達しても、緩和すぐにやめない>

岩田副総裁は「2%目標が達成されたら、すぐに金融緩和をやめるとの誤解が存在する」と指摘した。「先々も安定的に2%近辺にとどまる見通しが立たない限り、急に金融緩和をやめてしまうということにはならない」と強調。ただ、2%達成後に金融緩和を継続する期間については「経済状況による」として明言を避けた。

竹本能文  編集:田巻一彦

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