February 20, 2014 / 8:02 AM / 4 years ago

悪材料続き株大幅安、指標悪化でも利上げに強気な米当局

[東京 20日 ロイター] -悪材料が立て続けに出てきた。米国や中国の経済指標が相次いで悪化したにもかかわらず、米金融当局者から早期の利上げに強気な姿勢が示され、投資家心理を支えていた米低金利の長期化観測が後退した。

外需が低迷する中、日本でも1月の貿易赤字が過去最大を記録。リスク回避志向が強まる中では、日銀緩和期待があっても円安は進みにくい。金利は低下し、日本株は下げ幅を広げている。

<外需低迷で貿易赤字拡大>

日本の1月貿易収支は2兆7900億円の赤字となり、1979年の統計開始以来、過去最大の赤字を記録した。2兆円台の赤字も初めてで、市場予測(2兆4890億円)を大きく超えるその規模に対し、市場では驚きの声が上がっている。

貿易赤字が膨らんだのは、原油などエネルギーの輸入が円安などで膨らんだためだが、一方の輸出が円安にもかかわらず伸び悩んだことも大きい。輸出が伸び悩んでいるのは、外需が鈍化している影響が大きく、日本企業の競争力が衰えたわけではないとのエコノミストの試算もある。

だが、そうであっても外需が低迷している間は、円安が多少進んでも輸出は伸びないことになる。

「増税や歳出削減など財政の圧迫要因が軽くなる2014年は、米経済の成長が高まりやすい」(JPモルガン・アセット・マネジメントのエコノミスト、榊原可人氏)との予想は、依然としてエコノミストの間ではコンセンサスだ。しかし、長引く米寒波の影響がここにきて一層、米経済の先行きについて不透明感を濃くしている。

前日発表された1月米住宅着工件数は、前月比16.0%減となり約3年ぶりの減少率となった。寒波の影響もあるが、許可件数が3カ月連続のマイナスを記録するなど住宅市場自体が弱さを見せ始めた可能性もあり、予断は許さない。

気がかりなのは住宅ローン金利の上昇だ。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)FMCC.OBの調査では、30年固定の住宅ローン金利は1年前に比べて0.75%ポイント高い4.28%(2月13日終了週)となっている。金利の上昇がじわりと米住宅市場を圧迫している可能性がある。すそ野の広い住宅市場の減速は、経済にも大きな影響を与えかねない。

<「拠り所」失う投資家>

米住宅金利が上昇しているのは、「やはりテーパリング(米量的緩和縮小)の影響」(国内証券米支局)という。FRB(米連邦準備理事会)は利上げと距離を置こうとしているが、市場の一部では米金融政策は、緩和から引き締めのレールに移ったとの受け止めも多い。

これまでは、米経済が減速すれば米低金利が長期化するとの期待が投資家心理を支えていた。

しかし、前日は1月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「数人の参加者が、FF金利の誘導目標を比較的早期に引き上げることが適切になる可能性を指摘した」ことが明らかになった。

また、米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は19日、経済が大幅に悪化しない限り、テーパリングが年内に終了する可能性が高いとの見方を示した。

    米当局のこうした強気な姿勢を嫌気し、米低金利長期化への期待は大きく後退。米株が下落する一方、米金利も上昇したが、リスクオフムードが強まるなかでは対ドルでの円安は進みにくく、ドル/円は101円台での推移となっている。米経済指標が弱い中での利上げ懸念に、投資家は「拠り所」を失いつつある。

    日本株は2月HSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が48.3と、7カ月ぶり低水準となったことも加わり大幅続落。日経平均.N225の下げ幅は300円を超え、1万4500円の心理的節目を割り込んだ。200日移動平均線を再び下回ってきている。

    <成長力引き上げが不可欠>

    日本では、予想以上の貿易赤字で、1月の経常収支も赤字となる可能性が大きくなった。4カ月連続での経常赤字となれば1985年の現行統計の開始以降初めて。経常収支の赤字化は国内のマネーフローにも大きく影響してくるため警戒が必要だ。

    T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏の試算では2014年の経常収支は7500億円程度の黒字となる見通しだ。13年の3兆3000億円から大きく減少するが、かろうじて黒字は確保され、しばらくは海外からのファイナンスの必要性は生じないという。

    しかし、国内企業の海外移転が進み、新興国の工業力が向上するなかでは、なかなか輸出数量は伸びにくい。「もし日本が経常赤字になった場合、巨大な政府債務を抱え、成長率が低く、金利も低いような国に資金を貸してくれるかは極めて疑問。中期成長力を伸ばし、日本の魅力を高めることが必要だ」と神谷氏は指摘する。

    第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は「円安にもかかわらず輸出数量は伸びていないが、手元収益は円安でかさ上げされる効果はある。実際、輸出企業の収益が伸びている」と指摘。企業が、この豊富なキャッシュを雇用や設備投資に使わずに手元に置いていることが問題だと話す。

    ただ、資金を無駄使いして過剰なストックを増やしても成長率は高まらない。大胆な規制緩和で高い収益性のあるビジネスに企業が投資できるようにすることが重要だ。競争原理が働いていない分野を規制緩和によって高い収益性をあげれるように変えれるか。政府が進める戦略特区や、今年6月公表予定である追加の成長戦略が注目されている。

    0 : 0
    • narrow-browser-and-phone
    • medium-browser-and-portrait-tablet
    • landscape-tablet
    • medium-wide-browser
    • wide-browser-and-larger
    • medium-browser-and-landscape-tablet
    • medium-wide-browser-and-larger
    • above-phone
    • portrait-tablet-and-above
    • above-portrait-tablet
    • landscape-tablet-and-above
    • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
    • portrait-tablet-and-below
    • landscape-tablet-and-below