February 21, 2014 / 3:07 AM / 4 years ago

ブログ:浅田真央は「笑顔」だったのか

伊賀 大記

浅田真央は、人が「取り返しのつかないことをしてしまった」ときの後に何ができるかを我々にみせてくれた。すべてをかけて臨んだソチ五輪女子フィギュアスケート。ショートプログラムでの大失敗の後、フリーで自己ベストを更新する素晴らしい演技だった。

浅田も「自分の最高の演技」ができたと述べ、満足したとのコメントを残している。しかし、だ。笑顔もあったとはいえ、彼女らしい、はじけるような笑顔はついぞ最後まで見られなかった。インタビューでも何かを押し殺したような表情が印象に残った。

バンクーバー五輪での涙の銀メダルから4年。選手生命を左右するとされるジャンプの大改造に取り組み、ライバル達から技術的にも芸術的にも限界に挑戦すると称賛されるプログラムをひたすら追い求めたのは、自分が満足できる演技を追求する求道者としての姿勢と同時に金メダルを目指していたからだと思う。

しかし今回、それはかなわなかった。彼女の性格は、非常な負けず嫌いとされる。自己ベストとはいえ、本当に心の底から満足できたかは疑問だ。金メダルをとらなければ、今回のドラマはハッピーエンドでは終われなかったのだと思う。

とことんやればいい。今シーズンで終わりと決意を持って臨んだとしても、引退は撤回すればいい。誰も責めたりしないだろう。しばらく休んでから始めてもいい。4年後に金メダルはとれないかもしれない。しかし、自分が納得するまでやれば、何か別なゴールが見えてくるはずだ。

それは、ジャンプの葛西紀明選手が教えてくれた。41歳で7回目の出場にして初めてのメダル。銀メダルでは本人は不満なようだが、表情はとても晴れやかだった。

高年齢化すれば続けるのが難しい競技もある。しかし、通説や常識は結構簡単に変わるものだ。それに浅田は4年後はまだ27歳。十分いけるだろう。

カッコ悪くても泥臭くても続けて、自分が満足することができれば、モーグルの上村愛子のように最後は笑顔になれる。シーズン2もハッピーエンドにはならなかったが、シーズン3だって人生にはあるのだ。

(東京 21日 ロイター)

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