February 25, 2014 / 5:17 AM / 6 years ago

焦点:貿易赤字拡大の裏に構造変化、太陽電池・半導体・スマホ輸入急増

[東京 25日 ロイター] -電機関連の輸入が急増している。1月は太陽電池や半導体、スマートホン(多機能携帯電話)などの輸入増で前年比で34%増の1兆0504億円に膨張し、原発の稼働停止で膨らんでいるエネルギー輸入(約2.8兆円)に次ぐ輸入規模となっている。

2月25日、電機関連の輸入が急増している。1月は太陽電池や半導体、スマホなどの輸入増で前年比で34%増の1兆0504億円に膨張し、原発の稼働停止で膨らんでいるエネルギー輸入に次ぐ輸入規模となっている。写真は2012年12月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

円安が進む中での輸入急増の裏には、競争力が低下した電機セクターにおける輸入急増という日本経済の直面している大きな構造変化がありそうだ。

財務省が20日公表した貿易統計によると、1月の輸入額は前年比25%増の8兆0429億円と大きく伸び、貿易赤字が2兆7900億円と1979年の統計開始以来、最大となった。

原油や液化天然ガス(LNG)とならび輸入額が急増したのが電機。内訳は、電子部品(半導体含む)が同57.3%増の2595億円。品目別の詳細は27日に公表されるが、財務省によると「特に太陽電池の輸入増の寄与が大きい」という。

太陽電池の輸入は2013年に前年比3.5倍の5902億円と急増した。背景にあるのは国内市場の急拡大だ。2012年7月に始まった再生エネルギーの固定価格買い取り制度の導入で市場拡大が続いている。

太陽光発電協会によると、2013年の国内出荷量(内外メーカーの日本での出荷)は前年の約3倍の750万キロワットまで拡大。うち54.2%が輸入となっている。

市場は拡大しているもの、大規模太陽光発電所(メガソーラー)などでは大量に安価な太陽電池が必要とされメーカー間の競争も激化。日系メーカーは採算悪化を嫌気して国内生産の拡大に慎重となっている。

「市場拡大に日本企業の供給力が、追い付いていない面もある」(太陽光発電協会・鈴木伸一事務局長)が、日系各社は採算悪化で数年前から相当量を海外拠点からの輸入にシフトさせている。パナソニック(6752.T)はマレーシア、シャープ(6753.T)は英国・米国・中国、東芝(6588.T)はフィリピンなどから輸入している。

半導体は1月の輸入が前年比44.2%増の1572億円。「数量ベースでは14.6%増にとどまっており、円安や単価引き上げの影響が大きい」(経済産業省)との見方もあるが、「後工程を海外に委託する例もあり、実際のモノの流れが見えにくい」(民間エコノミスト)との指摘もある。

また、スマホなど通信機の1月輸入は同8.9%の2486億円に留まったが、2013年は前年比43.9%増の1兆6116億円と大幅に輸入が増加。日本の輸入拡大を象徴する品目として、貿易関係者からも注目されている。

BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は「競争力が大幅に低下した電気機械セクターの国内生産が縮小し、輸出がほとんど増えない。一方で、同セクターで輸入が大きく膨らんでいる」と指摘。電機セクターの輸入増が、構造的に日本の貿易ひいては経常収支に与える影響を注視している。

ロイターニュース 竹本能文 編集:田巻一彦

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