April 15, 2014 / 7:52 AM / 5 years ago

ブログ:値上げVS値下げ、増税対応の軍配は

杉山 容俊

写真は2010年12月、都内にある吉野家ホールディングスの店頭(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

お昼時のサラリーマンの心強い味方である「吉牛(吉野家の牛丼)」を提供する吉野家ホールディングス(9861.T)。4月1日から始まった消費増税の影響はまだみられないようだ。

吉野家ホールディングスの河村泰貴社長は11日、2014年2月期決算会見で、消費税増税の影響について「現状は想定したような影響はない」と述べた。4月1日─10日までの既存店売上高は前年同期間比で約20%も上回ったという。

吉野家は4月1日から牛丼・並盛の価格を従来の280円から300円に引き上げ、増税分以上を上乗せしている。4月上旬の売り上げ増は、販売好調な「牛すき鍋」に加え、値上げ分も寄与しているのだろう。

牛丼大手3社は、これまで牛丼・並盛280円で横並びだったが、消費増税を機に各社の対応が分かれている。松屋フーズ(9887.T)はほぼ増税分を転嫁し10円値上げの290円とした一方、すき家を展開するゼンショーホールディングス(7550.T)は逆に10円引き下げ270円に設定した。

牛丼3社に限らず、消費増税に対する小売り各社の対応はまちまちだ。大手外食チェーンではスターバックス コーヒー ジャパン2712.Tや日本ケンタッキー・フライド・チキンは値上げしたが、日本マクドナルドホールディングス(2702.T)はハンバーガーやチーズバーガーなどの看板商品を値下げ。セブン&アイ・ホールディングス(3382.T)は「高付加価値」を掲げ、価格転嫁を進める一方、イオン(8267.T)は「低価格化」を続ける方針だ。

1997年に消費税率が引き上げられた際、激しい値下げ競争となり、小売り各社の収益が悪化、その後のデフレ経済につながった経緯がある。そのため、市場では「今回の一様でない企業の消費増税対応策が株価にどう反映するか見物」(日本株運用担当者)との声があがっている。

各社の異なる対応はまだ株価に表れていない。4月に入って大幅に水準を切り下げた日経平均に連動する形で7&iHDやイオンなどが軟調に推移する一方、牛丼大手3社はいずれも堅調に推移。日豪経済連携協定(EPA)の大筋合意などが材料視されており、日本マクドナルドも14日に年初来高値を更新している。

ただ株価に反映されるのはこれからだ。4月下旬以降、国内企業の2015年3月期予想が発表されると同時に消費増税に対する経営陣の姿勢も明らかとなる。株式市場は値上げ、値下げのどちらに軍配をあげるのか。市場関係者はつぶさに見守っている。

(東京 15日 ロイター)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below