April 18, 2014 / 9:43 AM / 4 years ago

「真水の株価対策」待つ日本市場、海外まだら模様で慎重さも

[東京 18日 ロイター] -東京株式市場は一段と薄商いだが、政府による新たな株価対策に期待が高まり、強含みの展開だ。政府側からの相次ぐ「口先介入」が株価を下支えている。ただ、消費増税の影響など内外に多くの懸念要因があり、海外の経済指標や企業業績もまだら模様が続く。

株価対策の「真水部分」が明らかになるまでは、リスクオンにも限界がありそうだ。

<アベノミクスの要諦>

日銀緩和期待が後退した今、市場で一番ホットな話題は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)だ。麻生太郎財務相が18日、閣議後の会見で、「GPIFの動きが6月以降出てくる」とした自身の16日の発言の趣旨について、6月の成長戦略改定で、GPIFの運用の在り方が議論されることになっていると説明すると、日経平均.N225は上げ幅を拡大させた。

発言自体は目新しい内容ではなかったが、「GPIF関連の材料はどんなものでも短期筋が飛びつきやすい」(国内投信)のが現状だ。同財務相は、自身の発言で日経平均が420円高となったことに「迷惑した」と語ったそうだが、市場はそうは見ていない。「1万4000円を割り込みそうになったことを意識して、あの発言が出た」(国内証券)との見方がもっぱらだ。

「アベノミクスの要諦は株価にある」(T&Dアセットマネジメント、チーフエコノミストの神谷尚志氏)との声は多い。期待感をベースにするアベノミクスへの評価を端的に示す「指標」が株価であるためだ。国債市場の流動性を犠牲にする金融緩和や、政府債務を増やす財政政策など政策には副作用も小さくないが、株価が上昇していれば、トータルでみて効果が出ていると抗弁できる。

安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁が15日に会談したことや、首相が17日に都内で講演し、海外勢の注目度が高い法人税について「改革に取り組まないといけない」と語ったことも、市場では「株価対策」の一環とみる声は多い。使い勝手が悪いとされるNISA(少額投資非課税制度)の改革を求める声も、開始3カ月半で早くも出てきている。矢継ぎ早の材料に、市場では「1万4000円はアベノミクスの岩盤ライン」(国内証券)との声も聞かれてきた。

<「口先介入」だけでは限界>

ただ、18日の東証1部売買代金は1兆1502億円と今年最低。出来高も12億株と今年最少となった。今週は15日も今年3番目に少ない商いだった。米国など主要市場が「聖金曜日」で休場とはいえ、政策期待で日本株を買っているのは短期筋などごく一部。やはり海外勢が復帰するまでは、日本株の盛り上がりは期待しにくい。

その海外投資家は、経済指標や企業業績がまちまちで方向感を失っているとみられている。米経済は4─6月期以降、成長が加速するとの見方は多いものの、住宅関連指標など弱い指標もある。インテルINTC.oやゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)は堅調な業績として評価されたが、グーグル(GOOGL.O)やIBM(IBM.N)は市場予想を下回ったとして株価は軟調だ。いわゆるモメンタム株の調整が止まったのかはまだわからない。

    一方、中国も景気減速への懸念が解けない。第1・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年比7.4%(年率)となった。市場予想の7.3%は上回ったことで、マーケットでは好感する動きもあったが、前年比ではなく、日本などでよく使う前期比でみれば、過去3四半期は2.2%、1.8%、1.4%と徐々に減速している。

    しかし、政府の成長率目標は依然として7.5%。大和総研シニアエコノミストの斉藤尚登氏は「問題先送りになりかねない。成長率目標を維持するために景気対策が打たれたとしても、それは潜在的な不良債権を増やすことになり、結果的に構造改革を遅らせることになる」と警戒する。

    昨年まではアベノミクスという日本独自の材料があったが、現在ではやや色褪せ気味だ。海外材料の変化でヘッジファンドなどによるリスクオンとリスクオフが日本株市場でも繰り返されている。現物と先物を合計した海外投資家の売買動向は、前々週が約8400億円の買い越しだったが、前週は一転約6600億円の売り越しになった。日経平均で約550円上昇した今週は再び買い越しに転じているとみられている。

    日経平均は心理的節目の1万4500円を回復。4月前半の下落に対し、半値戻しをほぼ達成した。ここからは戻り売りも出てくるほか、テクニカル的な節目も多く、売買ボリュームが少ないままでは上値を追うのは難しくなる。「口先介入」だけでは限界は近い。国内の長期投資家を呼び戻すような、短期的な需給対策ではない日本経済の持続的な成長力を上げるための政策が求められている。

    (伊賀大記 編集:北松克朗)

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