July 19, 2013 / 5:08 AM / 6 years ago

コラム:次期FRB議長、サマーズ氏かガイトナー氏なら悪夢に

By James Saft

7月18日、もしも私が崖っぷちで銃口を突き付けられ、FRBの次期議長をラリー・サマーズ氏とティム・ガイトナー氏のうちから1人選べと迫られたら、崖から飛び降りるかもしれない。写真は昨年6月、ワシントンで撮影(2013年 ロイター/Yuri Gripas)

[18日 ロイター] - もしも私が崖っぷちで銃口を突き付けられ、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長をラリー・サマーズ氏とティム・ガイトナー氏のうちから1人選べと迫られたら、崖から飛び降りるかもしれない。

とはいえ、アイルランドのブックメーカー(賭け屋)であるパディーパワーによると、ともに米財務長官を務めた経歴のあるこの2人は第3番目と4番目の候補だ。

サマーズ氏の賭け率は5.5対1、ガイトナー氏は14対1と圏外に近く、バーナンキ議長が予想通り来年1月の任期満了とともに退任するなら、賭け率1対4のジャネット・イエレンFRB副議長が後任に就くとみられている。

ロバート・ルービン元財務長官とアラン・グリーンスパン前FRB議長を除けば、サマーズ、ガイトナー両氏ほど過去15年間の経済運営における失敗と強く結びつく人物は思い浮かばない。どちらかがFRB議長に就けば、金融を適切に規制しようという努力が無に帰すとともに、経済危機がまた一つ繰り返される確率が高まるという明確なシグナルが発せられるだろう。

第一にサマーズ氏は金融規制を骨抜きにしたり、あるいは実効性のない金融規制を策定してきた歴史を持つ。この歴史は少なくとも、1990年代末のデリバティブ規制への反対やグラス・スティーガル法廃止の支持にさかのぼる。

同法を廃止し、「大きすぎて潰せない」金融機関がはびこる今日の世界の創設に手を貸すことになったグラム・リーチ・ブライリー法を、サマーズ氏は1999年、いかに称賛していたことか。

「議会は今日、大恐慌このかた金融サービスを支配してきた規則を刷新し、21世紀の制度に代えることを可決した」とサマーズ氏は述べている。

その通りだが、残念なことに21世紀はわれわれの多くにとって非常に惨めな展開となっている。

サマーズ氏はまた、ハーバード大学の学長を務めた際に金利絡みの取引を司って結果的に大学に9億ドル以上のコストを負わせることになった。まさに金融機関が愛する「的外れだが手数料を生み出す取引」ではないか。

最後にサマーズ氏は、自らの失敗あるいは批判から学ぶのが下手な人物という素晴らしい印象を残している。経済政策研究センターのディーン・ベーカー氏の記述が生き生きと描き出すのは、サマーズ氏が銀行業のボーナス重視文化のリスクを指摘した識者をひどく罵倒する姿であり、しかもそれは信じがたいことにグリーンスパン氏を讃える集会での光景だった。

<ブラックスワン>

ガイトナー氏もまた、銀行に甘過ぎる経歴を持つ。最初はニューヨーク(NY)地区連銀総裁として、後には財務長官としてだ。金融センターの銀行監督を担うNY連銀で彼が目を光らせていた間に、シティグループ(C.N)は後に爆発することになる時限爆弾を仕掛けていた。彼が総裁に就任する前の2003年に、NY連銀は銀行に四半期ごとのリスク報告を義務付ける規則を導入していたが、彼の任期中に大規模な買収の禁止規則とともに撤回された。

財務長官の任期中には経営難に陥った最大手銀行の救済に奔走した。何よりも保険大手AIGのカウンターパーティとなった銀行に対し、自らの判断ミスの説明責任を取らせることを怠った。

さらに悪いことにガイトナー氏は、来るべき新興国市場における金融サービスの利用拡大から利益を得るため、米国には超巨大銀行が必要だという「金融深化」論を唱えた。米国を破たんの淵に追いやった怪しい金融商品に、新興国市場の消費者が新たに得た富をなぜつぎ込もうと思うのか、十分な説明は一度も成されなかった。米国の経済規模に占める金融の比率拡大を伴う金融深化とは、納税者のリスクを高めるだけで、過去25年間そうだったようにリスクに見合う価値は何ら生み出さないと言って間違いあるまい。

それではFRB議長にはだれがふさわしいのか。イエレン副議長は明らかにFRB内部での実績があり、バーナンキ議長が着手した金融緩和と資産買い入れを受け継ぐと想定していよい。

悲しいことに、彼女の任期はより厳しいものになるかもしれない。FRB当局者の間では、低金利を続けることの是非について意見が大きく分かれている。しかも経済指標は、米経済がまだ支えを外して自立する準備が整っていない様子を描き出す一方で、これまでの金融政策を続けることを正当化してもいない。

もしかすると外部者の登場を願う時なのかもしれない。パディーパワーは首尾よく1人の候補者を差し出してくれている。10名の候補者の中には、因習打破的なナシーム・ニコラス・タレブ氏が賭け率1000対1で顔を出しているのだ。想定外で多大な影響をもたらすテールリスクを指す「ブラックスワン」論で知られるタレブ氏は、肝が据わっており、リスクを理解し、そして他の候補者と違って銀行家にもゲームの責任を負わせることを望んでいる。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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