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アングル:汚職告発者に迫る危険、中国政府の撲滅運動を覆う闇
August 5, 2013 / 8:59 AM / 4 years ago

アングル:汚職告発者に迫る危険、中国政府の撲滅運動を覆う闇

[恵州(中国) 5日 ロイター] - 習近平政権が汚職撲滅に全力を挙げている中国だが、不正を告発するブロガーたちは、暴力や言葉による攻撃を繰り返し受けており、目的遂行に大きな障害となっていると批判している。

8月5日、習近平政権が汚職撲滅に全力を挙げている中国だが、不正を告発するブロガーたちは、暴力や言葉による攻撃を繰り返し受けており、目的遂行に大きな障害となっていると批判している。写真は襲撃され、目を失明した李建新氏。広東省恵州市で7月撮影(2013年 ロイター/Tyrone Siu)

メディアの報道や複数のブロガーがロイターに語ったところによると、ここ数カ月の間に少なくとも6人の告発者が暴力や嫌がらせを受けた。

李建新氏(45)もその1人で、7月8日に男2人に刃物で刺され、背中に硫酸を浴びせられた。李氏は右目を失明し、南部広東省の恵州市内の病院に入院している。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの研究者Maya Wang氏は、「習氏が汚職撲滅に真剣に取り組んでいるならば、活動家らをこのような脅迫や迫害から守るべきだ」と警鐘を鳴らす。

習氏はかつて、汚職撲滅には「国民の監視」が必要だと力説した。

李氏や他の告発者らは、3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で「国民の意見を基にした権力の監視」が議論されているのを聞いて、活動の追い風になると感じた。

李氏は、政府が汚職撲滅に向けた手段にインターネットを活用したいという意思表示だと思ったと振り返る。「われわれの活力の源になる出来事だった。ネット上での反汚職運動に対する国の指導者たちの支持の表れだった」

小さな飲食店を経営する李氏は、約1年前から恵州市当局者の不正行為、違法な土地の差し押さえ、縁故採用などに関する告発をネット上で始めた。

しかし、今年3月には娘の寝室の窓にレンガを投げ込まれた。事件後、李氏はオンラインフォーラムに「勇気があるなら私を射殺すべきだ」と脅迫に屈しない姿勢を示した。7月の襲撃事件の犯人は誰だか分からず、逮捕者も出ていない。それでも、李氏は告発をやめる気はないと力を込めた。

<警戒>

欧米諸国では告発は通常、組織内で行われるが、中国ではネットがその役割を担っている。ミニブログやメディアの報道を基にしたロイターの試算によると、約30人以上の内部告発者が実名を使って、定期的にネット上で汚職に関する報告を行っている。

中国共産党中央規律検査委員会は今年1月、ネット上で実名を使うのであれば、汚職撲滅活動に市民が参加することを歓迎すると表明。同委員会の報道官は「実名の告発は優先され、すぐに適切な対応が行われる」と述べていた。

実際、当局はネット上に告発された案件について調査を行い、下級当局者数人が禁錮刑を受けた。ただ、中国政府は告発者に対して多大な自由を与えることには警戒心が強く、告発者には法的な保護制度もない。

同国で最も著名な汚職告発者の1人、朱瑞峰氏は先月、4つのミニブログのアカウントが当局によって削除された。そのうちの1つは、市民からの反発を受け、最近になって再び利用できるようになったという。

汚職告発サイト「人民監督網」を運営する朱氏は昨年、重慶市の党幹部が愛人と性行為を行っている動画を公開。その結果、この幹部は汚職の罪で禁錮13年の判決を言い渡された。

朱氏は襲撃されたことはないものの、ミニブログのメッセージや電子メールで脅迫されたことはあると打ち明けた。

<真実>

一方、北東部の大連では、ブロガーのBi Meinaさんが、同市当局者の不正を告発。Biさんはミニブログで告発したが、証拠書類は提示しなかった。

5月以降、Biさんは尾行されるようになり、匿名のユーザーから電話やテキストメッセージで罵声を浴びせられるようになった。「苦悩の日々だった。活動をあきらめることや、家族を外国に避難させることも考えた」と胸の内を明かした。

広東省茂名では、当局者のZhu Guoyu氏がネット上で汚職を暴露したことで、当局者9人が有罪となった。ただ、Zhu氏の上司たちは、同氏の行為を快く思っていないという。

「彼らは、私が常に忙しい状態にあるよう仕向けている。そのため、私は告発する時間がない」

昨年9月、Zhu氏は車2台に乗った男たちに追跡された。2011年には、何者かに刺されたが一命を取り留めた。

ブロガーや内部告発者らが脅迫を受けている現状にもかかわらず、潮流は彼らに有利なように変わるとZhu氏は指摘。「多くの人が見ている。紙で火を包むことはできない」と、中国のことわざ「紙包不住火」を引き合いに出し、真実は長い間包み隠すことはできないと強調した。

(原文執筆:Sui-Lee Wee記者、翻訳:野村宏之、編集:伊藤典子)

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