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焦点:GDP大幅上方修正の公算大、消費増税支援材料に
2013年9月2日 / 05:37 / 4年後

焦点:GDP大幅上方修正の公算大、消費増税支援材料に

[東京 2日 ロイター] - 今月9日発表の4─6月期GDP2次速報は、財務省が2日公表した4─6月期法人企業統計を反映して、上方修正される可能性が高まっている。民間エコノミストの間では3─4%台の高い成長率が予想され、消費増税に向けた環境が整いつつあるとの声も浮上している。

9月2日、4─6月期GDP2次速報は民間エコノミストの間では3─4%台への上方修正が予想され、消費増税に向けた環境が整いつつあるとの声も浮上している。写真は国会議事堂。昨年12月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

こうした見方の背景には、景気の最後尾を走っていた設備投資がようやく動き始め、在庫の積み増しなどがGDPを押し上げるとの見方がある。ただ、7月分の経済指標からは、ここまでの強い景気回復の勢いが鈍化傾向にあることがうかがえ、円安や公需で支えられてきた景気は、企業収益から所得や投資へといった広がりに不十分な面も残っている。

<GDP2次速報、設備・在庫投資などが押し上げへ>

法人企業統計を受けて、エコノミストからは4─6月期GDP2次速報の大幅上方修正を予測する声が出ている。

1次速報で年率2.6%だった実質成長率は、三菱UFJモルガンスタンレー証券が4.1%、農林中金総合研究所では4.0%、伊藤忠経済研究所では3.9%、SMBC日興證券は3.0%に高まると予想。1─3月期並みの3─4%という高成長が予想されている。

主因は、設備投資と在庫投資、公共投資の好調だ。法人企業統計では全産業の設備投資が0.02%と小幅ながら3期ぶりに増加。在庫投資も仕掛品が大幅に増加した。

このほかにもGDP2次速報に反映される基礎統計などは、上方修正を示唆するデータが目立つ。

鉱工業生産統計では、設備投資と関連性の高い資本財出荷(除く輸送機械)が徐々に回復傾向を示し、7月はついに前年比で増加に転じた。

機械受注統計でも、4─6月の国内民需受注額は四半期ベースでは12年1─3月以来、5四半期ぶりの増加に転じた。受注額水準もリーマン・ショック直前の08年7─9月の2兆6000億円強に近い水準まで回復した。低迷が続いていた製造業は7四半期ぶりの増加に転じた。

この結果、設備投資は1次速報のマイナス0.1%減からプラス圏に浮上すると見られ、調査機関では0.6%増─1.1%増に上方修正している。

<ここまでの経済環境は増税後押し、夏場は高成長にかげり>

注目されいてる4─6月期GDP2次速報が高成長見通しとなり、日本経済の足腰がしっかりしてくると確認されれば、消費増税のハードルとなっている経済環境に関して、増税実施を後押しする材料となる。物価指標も7月の全国消費者物価指数(除く生鮮、コア)が前年比0.7%まで上昇し、年内には1%上昇も視野に入りつつある。

ただ、エコノミストからは7─9月期の景気はやや鈍化の兆しが出ていることを指摘する声が増えている。 特に資産効果や雇用増を背景に景気をけん引してきた個人消費は、マインド調査が悪化している。

さらに気になるのは、製造業の設備投資が依然として回復感に乏しいことだ。法人企業統計では、非製造業がけん引役となっており、製造業は9%超の減少と3期連続でマイナスだ。

背景として、輸出がなかなか回復しない状況を挙げることができる。円安による数量効果はあるものの、世界経済の弱さから伸びているのは北米向け自動車などに限定されており、7月の実質輸出は前月比マイナス4.9%と大幅に低下した。

安倍晋三首相は、8月末の有識者会合での意見も踏まえ、4─6月期GDP2次速報、9月日銀短観などの結果も見た上で、10月上旬に消費税引き上げの最終判断を行う見通しだ。

菅義偉官房長官は、2日午前の会見で法人企業統計について前向きの評価を示したが、「今後は輸出が持ち直しして、各種政策の効果が出てくるように、企業収益の改善そのものが、家計所得や投資の増加につながって景気回復へ向かうと、こうしたことを期待していきたい」として、輸出の回復を基点に所得や設備投資への波及が必ずしも十分でないとの認識をにじませている。

エコノミストからも「7月の月次データは、今年前半の高成長の反動から日本経済の回復モメンタムが、いくぶん鈍化していることを示しており、7─9月期の成長率は年率2%台へ低下する可能性が高い」(伊藤忠経済研究所・主任研究員の丸山義正氏)との見通しが出ている。

このため消費増税について「国内景気が回復経路をたどっているのは間違いないと見るが、14年度の日本経済が8兆円程度の増税ショックに耐え、早期のデフレ脱却の達成に向けて動き続けることが、可能かどうかは依然として疑わしい」(農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏)という懸念の声も消えていない。

ロイターニュース 中川 泉 編集;田巻 一彦)

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