Reuters logo
焦点:G20でプーチン氏がオバマ氏に反撃へ、シリア問題めぐり
2013年9月2日 / 04:57 / 4年後

焦点:G20でプーチン氏がオバマ氏に反撃へ、シリア問題めぐり

[モスクワ 1日 ロイター] - プーチン・ロシア大統領は3カ月足らず前の主要国(G8)首脳会合で、シリア問題をめぐりのけ者扱いされた。今週5、6日にサンクトペテルブルクで開く20カ国・地域(G20)首脳会合(サミット)では、オバマ米大統領に反撃する機会をうかがうことになる。

9月1日、サンクトペテルブルクで開催のG20サミットでは、ロシアのプーチン大統領(左)がオバマ米大統領に反撃する機会をうかがうことになる。写真は6月撮影(2013年 ロイター/Jason Reed)

米国はシリアへの軍事攻撃の判断でジレンマに陥っているため、サミットに向けてより強い重圧にさらされているのはオバマ大統領の方だ。8月31日には議会の承認を得るため攻撃を先送りした。

翻って6月に北アイルランドで開かれたG8首脳会合では、シリアのアサド大統領を支持するプーチン大統領が孤立し、オバマ大統領との会談ではしかめ面だった。オバマ氏はその後、プーチン氏を「教室の後方で退屈している子供」に例えた。

プーチン大統領はこのあざけりを無視し、シリア政府が8月21日に化学兵器を使用したとするオバマ大統領の指摘を退けてアサド大統領支持を貫いている。

シリア問題で米国、フランス、英国の首脳らが追いつめられる様に意を強くしたプーチン氏は、「ノーベル平和賞受賞者の」オバマ氏を皮肉り、米国の外交政策の失敗を指摘して反撃に出始めた。

プーチン大統領は8月31日にウラジオストクで記者団に対し「過去10年間の出来事を思い起こす必要がある。米国は何度、世界のさまざまな地域で武力紛争を主導したか。それでたった一つでも問題が解決しただろうか。アフガニスタンやイラクでパートナー諸国が追求したとされる平和や民主主義は結局実現していない」と話した。

アサド政権が国内で化学兵器を使用したとの考えについては「途方もないたわ言」と切り捨てた。

プーチン大統領は西側諸国に対し、G20サミットではシリア問題で対決する用意があり、米国を「不良少年」の姿に描き出す機会を狙っているとのメッセージを送っている。

大統領は「もちろんG20は正式な法的権限を持たない。国連安全保障理事会を代替しないし、武器の使用について決定もできない。しかしこの問題を協議するには良い場だ」と指摘。「米国はまたしても国際的な安全保障システムと国際法の土台を破壊したがっているのか。それで米国の国際的地位が高まるはずもない」と述べた。

<プーチン大統領の演出>

アサド政権の化学兵器使用をめぐる議論でプーチン氏が初めて口を開いたのには、スタンドプレーの要素もある。

狙いの1つは、今週のG20サミットで自らへの批判をそらすことだ。米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者に一時亡命を認めたのを受け、今週予定されていたプーチン氏との首脳会談を取りやめたオバマ氏を攻撃する意図もありそうだ。

プーチン氏はサミットで、「同性愛宣伝禁止法案」をめぐり批判に直面する恐れがなお残るほか、2000年以来最大規模のデモに対する弾圧で海外から非難されている。

しかし対シリア軍事攻撃の可能性を取り巻く緊張が高まったことで、サミットに向けて最も注目を浴びるのは間違いなくプーチン氏ではなくオバマ氏だろう。

化学兵器の使用を理由にロシアが立場を変えるという西側諸国の期待は裏切られたようだ。

ロシア政府はアサド政権に対する最大の武器供与元だが、ロシア高官らは同国にはその権利があり、国際法にも違反していないと繰り返し主張している。ロシア政府は国連においてもシリア攻撃を支持しない意向を明確にしてきた。

プーチン大統領はシリア反体制派の攻撃について、米国の軍事介入加速を狙った挑発行為の可能性もあると指摘。米政府のシリア批判を利用して反米心理をかき立て、国内有権者の支持獲得につなげてきた。

ワシントンの米政府高官は「米国は(シリアの)体制変更に照準を定めており、自国のために中東をかき回しているという批判がロシア高官、そして間違いなくロシアのメディアから続いている。反米主義は世論獲得で成果を上げてきたという皮肉な側面もある」と話した。

<自信を深めるプーチン氏>

オバマ大統領が次々と難題に見舞われ、その同盟諸国もシリア問題で困難に直面しているため、プーチン大統領は実際に自信を深めているようだ。

キャメロン英首相は議会に軍事攻撃を否決されて窮地に陥り、オバマ大統領が攻撃に議会の承認を得ると表明したことで、フランスのオランド大統領も同様の手続きを踏むよう迫られている。

プーチン大統領は英議会の否決について、米国の緊密な同盟国の国民でさえ「ワシントンの外国政策の失敗」を見て結論を導き出している兆しだと指摘。「これらの国でさえ、国益と良識に従う人々、国家主権を重んじる人々がいる」と述べた。

プーチン氏の「顔を潰して」対シリア姿勢を転換させたいとの望みも徐々に衰えつつある。

前出の米政府高官は「ロシアがこの問題での国際的イメージを強く気にかけている感触はない。独立した姿勢を貫くことにプライドを感じている。ロシアはことシリア政府支持に関して怖気づいてはいない」と語った。

(Timothy Heritage記者)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below