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OECDがECBに量的緩和提言、「デフレリスク回避に必要」
2013年11月19日 / 17:07 / 4年後

OECDがECBに量的緩和提言、「デフレリスク回避に必要」

[ブリュッセル/フランクフルト 19日 ロイター] -経済協力開発機構(OECD)は19日に発表した世界の経済見通し(エコノミック・アウトルック)で、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏が日本のようなデフレスパイラルに陥ることがないよう、米連邦準備理事会(FRB)が実施しているような量的緩和策を実施する必要があると提言した。

11月19日、OECDは、ECBは、日本のようなデフレスパイラルに陥ることがないよう、米FRBが実施しているような量的緩和策を実施する必要があると提言した。写真はユーロやドル紙幣。プラハで1月撮影(2013年 ロイター/David W Cerny)

OECDのチーフエコノミスト、ピエール・カルロ・パドアン氏はロイターに対し「デフレリスクが徐々に高まっている可能性がある」と述べ、「ECBは非常に注意する必要があり、デフレリスクが根付かないよう、非標準的な手段をも利用する用意を整えておく必要がある」と述べた。

コンスタンシオECB副総裁は同日、量的緩和の可能性について検討したことはあるが、詳細に踏み込んで討議したことはなく、技術的な準備も行われていないと明らかにした。

欧州連合(EU)統計局発表の10月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数改定値は前年比0.7%上昇。上昇率は2010年2月以来約4年ぶりの低水準となった。

こうしたなか欧州中央銀行(ECB)は今月の理事会で、主要政策金利であるリファイナンス金利を過去最低となる0.25%に25ベーシスポイント(bp)引き下げることを決定。上限金利の限界貸出金利も25bp引き下げ、0.75%としたが、下限金利の中銀預金金利は0.0%に据え置いている。

ECBの政策についてこの日、アスムセン専務理事が、ユーロ圏のインフレ率を目標に一致させるためにECBは必要なら追加措置を導入できるとの立場を表明。

同専務理事はオーストリアのORFラジオのインタビューで、「インフレ状況から必要とされれば、ECBは再び行動を起こすことができる。その手段の1つして、中銀預金金利のマイナス圏への引き下げが挙げられる」と述べた。

中銀預金金利がマイナス圏に引き下げられれば、銀行がECBにオーバーナイト資金を預け入れる際に利子を支払う必要が出てくる。同専務理事はこうした措置をとることには「非常に慎重」になるとしながらも、導入の可能性を完全に排除することはしないと述べた。

物価状況については、ユーロ圏の物価安定に対するリスクは均衡しており、デフレに陥るリスクはないとの見方を示した。

ECBのプラート専務理事もこの日にフランクフルトで行った講演で、ユーロ圏でデフレリスクは見られていないとの認識を表明。「金融政策は安定的な名目価格の抑制に成功している。また、インフレ期待の抑制を解除するリスクへの対応でも成功している」とし、「市場価格においてデフレリスクを評価するエピソードがいくつかあったが、現在そうしたリスクは見られていない」と述べた。

ただECBが緩和策を引き揚げる可能性についてアスムセン専務理事は、ユーロ圏の現在の景気サイクルは米国などとは異なるため、ECBによる緩和的な金融政策の引き揚げは時期尚早となるとの立場を示し、「ECBの金融政策は必要な限り拡張的であり続ける」と述べた。

プラート専務理事は前週、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、ユーロ圏のインフレ率を中銀の目標水準に押し上げるために必要となった場合、ECBは資産買い入れや中銀預金金利のマイナスへの引き下げに踏み切ることが可能との見解を表明。

インフレ率がECBの目標から大きくかい離した場合、ECBは責務を果たすために必要なあらゆる措置を採るとの立場を示し、「(インフレの責務を果たすために)ECBのバランスシート能力を活用することもできる」とし、「これにはどの中銀にも可能な(資産)買い入れが含まれる」と語っている。

一方、コンスタンシオ副総裁は、これまで量的緩和策の実施に向け技術的準備が行われたかとの記者団の質問に対し「それは可能性への言及にすぎない」と指摘。「(プラート専務理事の)発言に付け加えることは何もなく、すべては可能というのが発言の趣旨だ。(QEが)詳細にわたり討議されたことはない」と述べた。

予想外の利下げを決定した今月のECB理事会では、バイトマン独連銀総裁を筆頭に、理事会メンバーの約4分の1が利下げに反対したとされる。

また別の関係筋が明らかにしたところによると、利下げ反対派は12月の理事会での利下げなら支持する意向を示していた。また12月の利下げのタイミングでは、証券市場プログラム(SMP)の下で過去に購入したユーロ圏債券の不胎化措置を終了する追加緩和策が含まれる可能性があったという。実際に不胎化措置が終了すれば、2000億ユーロの流動性が市場から吸収されず残ることになる。

世界の主要中銀では、日銀、米FRB、イングランド銀行(英中央銀行)が量的緩和を実施しているが、ECB理事会メンバー23人の間では量的緩和実施に対する意見は大きく分かれている。

JPモルガン(ロンドン)の銀行エコノミスト、グレッグ・フゼシ氏は、ECBが国債買い入れ実施に踏み切った場合、画期的な変革となるとし、「ユーロ圏が進む方向に関する見方を大きく変えるもので、見通しにも大きな影響を及ぼす」との見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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