November 28, 2013 / 7:12 AM / 6 years ago

アングル:中国電子商取引はアリババの独壇場、ニッチ以外は淘汰も

[上海 27日 ロイター] -中国で急成長する電子商取引市場では、最大手のアリババ・グループIPO-ALIB.Nを相手に、小売り各社が独自の戦略で生き残りをかけた勝負を挑んでいる。

11月27日、中国で急成長する電子商取引市場では、最大手のアリババ・グループを相手に、小売り各社が独自の戦略で生き残りをかけた勝負を挑んでいる。写真はアリババ本社で2010年5月撮影(2013年 ロイター)

この動きについて、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は最近、杭州にあるアリババ本社で「電子商取引市場に参入し、われわれが運営する天猫(Tモール)や淘宝網(タオバオ)に対抗しようと考えているならば、すでに間違っている。代わりに、アリババがあまり成功していない分野に目を付けるべきだ」と語った。

アリババは新規株式公開(IPO)を計画中で、時価総額は1000億ドルを超える可能性がある。

コンサルティング会社ユーロモニターのデータによると、アリババは、企業と消費者間のオンライン取引サイト「天猫」の売上高で市場全体の約50%、消費者同士が取引するサイト「淘宝網」の売上高では市場全体の約80%を占める。

対照的に、アリババに次ぐ中国第2の電子商取引サイトである京東(JD.com、旧360buy.com)のシェアは13%弱。中国家電小売り最大手の蘇寧雲商集団(002024.SZ)が運営するオンラインサイト(Suning.com)のシェアは全体の3%強にすぎない。

ただ、アリババの圧倒的なシェアを考慮しても、中国のオンライン小売市場が持つ可能性は無視できないほど大きいため、蘇寧、京東、米ウォルマート(WMT.N)の通販サイト「1号店(Yihaodian)」、米アマゾン・ドットコム(AMZN.O)など、小売り各社が相次いで参入している。

コンサルティング会社べイン・アンド・カンパニーによると、市場規模が1兆7000億元(2860億ドル)と推定される中国のオンライン小売市場は今年、米国を抜いて世界最大となる見通し。同社は、中国のオンライン小売市場は2015年まで米国の2倍以上となる年率32%のペースで拡大すると予想している。

アナリストによると、中国のオンライン小売売上高は2015年までに同国の総小売売上高31兆5000億元(5兆1700億ドル)の9%強を占め、2028年までには25%を占める見通し。

蘇寧の張近東・最高経営責任者(CEO)兼会長は、米カリフォルニア州パロアルトに新設した同社の研究開発センターでロイターの取材に応じ、「われわれは中国の電子商取引市場を1社、つまりアリババが独占できるとは考えていない。膨大な人口を抱える中国の市場は非常に広く、深い」と語った。

<敗者続出>

中国の電子商取引市場のシェア争いではすでに一部の有名企業が敗れており、競争激化で敗者はさらに増えると予想される。

ユーロモニターのデータによると、アマゾン傘下の卓越網(Z.cn)の2012年のシェアは1.7%と、5年前の7.3%から大幅に低下。アマゾンから中国事業に関するコメントは出ていない。アマゾンは昨年ロイターに対し、中国市場は「巨大」市場に成長すると考えており、中国の電子商取引上位3社に入ることを目指すと明らかにしていた。

蘇寧のライバルで、べイン・キャピタルが出資する国美電器(GOME)(0493.HK)のオンラインでのシェアは昨年の2.5%から0.4%に低下している。

このほかにも、中国最大のオンライン書籍販売企業である当当網(イーコマース・チャイナ・ダンダン)DANG.N、米パソコン大手デル、新蛋(ニューエッグ)、紅孩子(レッドベビー)、メコックスレイン・インターナショナルなど、多くの企業のシェアが徐々に低下している。

一方、シェア争いに勝利したアリババの天猫は、2010年に35%だった市場シェアを昨年までに50.6%に拡大した。ちなみにアマゾンが同社最大市場の米国で占めるシェアは約20%。

京東の沈皓瑜・最高執行責任者(COO)は中国の電子商取引市場の現状について「残っているプレーヤーはもう多くない。しかし、今後2、3年で生き残る企業はさらに少なくなる。競争のレベルはそれほどだ」と語った。京東にはサウジアラビアの投資会社キングダム・ホールディング4280.SEが出資している。

<得意分野で勝負>

中国商務省は11月21日、同国の電子商取引促進に向けた指針を発表し、オンライン小売業界を支援する政府の方針が示された。

ただ、巨大企業アリババと真っ向勝負ができる企業はほとんどないため、小売り各社は特定の分野に特化してニッチ市場を開拓する、あるいは実店舗の販売網やソーシャルメディアなど独自の強みを生かす戦略を取っている。

特定商品を専門に扱う小売り企業には、化粧品の聚美(Jumei)、酒類の也買酒(Yesmywine.com)、ディスカウントサイトの唯品会(VIPS.N)などがある。唯品会は2012年第4・四半期に黒字化した。

易迅網(51buy.com)は、親会社の騰訊HD(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)が運営するチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」を通じ、オンライン購入者を獲得している。

「微信」の利用者は世界で3億人近く。中国のポータルサイト運営大手、新浪(SINA.O)が運営するミニブログ「新浪微博(ウェイボー)」を抜き、中国で最も利用されるソーシャルメッセージングアプリとなった。アリババは「新浪微博」に18%出資している。

ウォルマートのマクミロン社長兼CEOは今月、アナリスト向けの電話会議で、同社が過半数株式を所有する通販サイト「1号店」は、親会社の世界的な流通網を生かし中国の消費者の需要が多い輸入商品を販売することに力を入れている、と語った。

第3・四半期は中国に401ある実店舗への客足が8%減少したものの、1号店の売り上げを含めたウォルマートの世界のオンライン売上高は40%近く増えた。

<大手と専門小売の二極化へ>

京東は、その規模と取扱い商品の幅広さでアリババと最も類似している。京東は独自ブランドでの直販に特化しており、この戦略は購入者に単一の売り手から一括購入しているとの安心感を与える利点がある。しかし、取扱い商品が幅広い点は、アリババの天猫との厳しい競争下に身を置くことになり、規模と資金力で上回るライバルとの値下げ競争に引きずり込まれるリスクをはらんでいる。

調査会社カンター・ワールドパネルのマネージングディレクター、ジェイソン・ユー氏は「中国のオンライン小売業界は大手1、2社とともに、より規模の小さい専門小売業者が存在する状況へと整理統合される可能性が高い。そのどちらにも属さない企業はおそらく淘汰されるだろう」と指摘する。

蘇寧のように実店舗販売型の小売りチェーンが生き残るにはオンライン販売がカギとなる。蘇寧は今年に入って約100店舗を閉鎖した。同社は店舗を訪れた消費者が後でオンライン購入をしやすいよう店内で商品のバーコードを読み取れるシステムを導入、ITに詳しい従業員を採用するほか、オンライン販売の物流面での障害を克服するため地方の物流拠点に投資している。

蘇寧の張CEOは「われわれが進化するためにはテクノロジー分野で多くのことを学ぶ必要がある。これはわれわれにとって全く新しい概念だ」と語り、 パロアルトでの研究成果が同社のオンライン販売の競争力強化につながることに期待を寄せた。

(Adam Jourdan 翻訳:高橋恵梨子 編集:佐々木美和)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below