March 31, 2014 / 9:48 AM / 6 years ago

厚生年金基金の代行返上による売りに警戒、高値圏での足かせに

3月31日、厚生年金基金の代行返上に伴う日本株売りを警戒する声が強まっている。写真は都内で1月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 31日 ロイター] -厚生年金基金の代行返上に伴う日本株売りを警戒する声が強まっている。実際、3月に入り信託銀行経由の売りが増え、年金信託の持ち株比率の大きい銘柄の下げがきつくなっている。

売却額は限定的で吸収可能との見方も多いが、高値圏での売り圧力が強まることで株価上昇の足かせになりかねないという。

今年に入って現物・先物合わせて約2兆8000億円を売り越した海外勢に加え、新たな売り主体の存在が目立っている。3月中旬から後半にかけて足踏みした日本株式市場では、「国内の厚生年金基金の代行返上に伴う売りが出ている」(日系運用会社ファンドマネージャー)との声がにわかに広がった。

厚生年金基金の代行返上とは、国に代わって運営していた基金の代行部分の運用・給付義務を国などに返還することをいう。一定の要件を満たせば株式など有価証券で納付することも可能だが、現金納付がほとんど。基金が解散や代行返上に踏み切れば、換金売りが強まる。

足元では、4月1日の財政状況が悪い基金に解散を促す改正厚生年金保険法の施行を前に基金が解散手続きを進めている。厚生労働省によれば、3月13日時点で534の基金のうち、約3分の1に当たる195の基金が解散や代行返上に向けて進み始めているという。改正案では基金の存続基準が厳しくなるため、約9割の基金が廃止となる見通しだ。

東京証券取引所が公表している投資主体別売買動向によると、国内年金などの注文を経由する信託銀行は3月に入って3週連続の売り越しとなった。3週連続は2013年7月以来、約8カ月ぶり。売り越し額は合計で2444億円と膨らみ、「厚生年金基金による代行返上売りが信託銀行経由の売却額の増加につながった」(準大手証券)とみられている。

代行返上売りを含む信託銀行経由の売りは年金信託持ち株比率が大きい銘柄の下げにも表れている。みずほ証券がスクリーニングした年金の株式保有比率が高い銘柄(時価総額500億円以上の東証1部上場企業)で、上位に上がったプレス工業(7246.T)や牧野フライス製作所(6135.T)、TPR(6463.T)などは3月に約8%値を下げた。同期間のTOPIX.TOPXの下落率0.7%に比べて差は歴然としている。

各証券の試算によると、代行返上に伴う日本株の売却総額は約3兆円。複数年にわたって売却される見込みのため、年単位でみれば数千億円規模と日本株への悪影響は限定されるとの見方が多い。ただ、「解散価値が低くなるため、日経平均1万4000円前半では売りが出にくい一方、1万5000円を超えてくれば売りが増えてくる」(いちよしアセットマネジメント執行役員運用部長の秋野充成氏)との声もあり、上値を抑える一因になるとみられている。

東証1部の売買代金が連日2兆円前後と盛り上がりに欠けていることも、代行返上売りを目立させているという。大和証券シニアストラテジストの塩村賢史氏は「信託銀行経由での売り越し額が週間で1000億円程度出ても基本的に影響はないが、外国人投資家など他の投資主体の動きが鈍い中ではネガティブな材料となりやすい。目先、数週間は代行返上がらみの売りが意識される」と述べている。

杉山容俊 取材協力:佐野日出之、植竹知子 編集:伊賀大記

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