March 31, 2014 / 3:27 PM / 5 years ago

インタビュー:緩和は収益にネガティブ、経済再生に必要=全銀協会長

[東京 1日 ロイター] -4月1日付で全国銀行協会会長に就任した平野信行・三菱東京UFJ銀行頭取は、ロイターとのインタビューで、日銀の異次元緩和について、短期的には銀行の収益にネガティブだが、日本経済の再生には必要だとの認識を示した。

4月1日、全国銀行協会会長に就任した平野信行氏は、日銀の異次元緩和について、短期的には銀行の収益にネガティブだが、日本経済の再生には必要だとの認識を示した。写真は1万円札。都内で2013年2月撮影。(2014年 ロイター/Shohei Miyano)

日銀は必要に応じて、さらなる施策を打ち出す必要もあるとコメント。その際には、銀行としては適切に対応するとした。日銀の国債購入の増加に伴い民間銀行は国債保有残高を減少させているが、さらに日銀が緩和を進めれば、バランスシートを調整する必要があると語った。

主なやり取りは以下の通り。

――日銀の異次元緩和をどのように評価しているか。

「日本の脱デフレに大きな効果を発揮していることは間違いない。異次元緩和策は、これまでのところ順調に推移している。今後もこの施策を有効にしていくためには、市場との対話が重要だ。その中で必要に応じて思い切った施策を打っていく必要があるだろう」

――銀行の収益にはどのような影響を与えているか。

「確かに目先だけ見れば、基準金利の低下に伴って貸出金利は引き続き低下を続けている。貸出よりも預金が超過している環境で、ゼロ金利の状況は金融機関の利益に与えるネガティブな影響は否定できない。ただし、国が再生できないと、日本の金融機関にも将来はない。その先を見通して、いま我々のすべきことをやっていく。端的には、貯蓄から投資への流れを後押しする取り組みだ。NISA(少額投資非課税制度)を積極的に進めていく。実際、これまで眠っていた資産が動き始めている」

――日銀が追加緩和した場合の国債の運用方針は。

「これまで、日銀の政策に即して各金融機関がバランスシートの調整を進めている。押しなべて言えば、国債の保有年限を短縮化し、残高を減らしてきた。地域金融機関も含めて、適切な対応を各金融機関で取っていると言っていい」

「今後は、どのような追加的な施策が出るか分からないが、個別行で言えば、日銀の買い取りプログラムに沿って、引き続きバランスシートの調整を続けていく。その中で新たな政策手段がとられたら、それに対応していく」

――国債の残高を減らすと、銀行の収益源が減るのではないか。

「将来にわたる国債の下落リスクを銀行から外す一方、いずれデフレから脱却し、金利が上がり始める時期を念頭に置く必要がある。そうした中で、民間金融機関のリバランスを求めている策だと言える。三菱UFJに限らず各行もそうだが、国債の残高を減らし、その分を貸出に振り向けるという大きな流れがある。金融機関によっては海外の融資を増やす動きもある。トータルでとらえる必要がある」

「短期的には銀行収益にとってマイナスなのは、誰が見てもそうだ。ただ、民間銀行が持つ国債の潜在リスクをその分だけ減らしていく動きでもある。金融機関や日銀、財政当局の対話の中で、どのようにすれば日本経済の安定性を損なわないようにできるのかを探し求めていくことが重要だ」

――バブルを発生させる懸念はないか。

「現在の日本経済の最大の課題は脱デフレだ。今、この時点でバブルの発生をただちに懸念しなければいけない状態ではない。ただし、バブルは人々が気が付かないうちに生成される。そこを注意深くモニタリングする必要はある」

(インタビュアー:布施太郎 浦中大我、編集:田巻一彦)

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