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ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は12日の定例理事会で政策金利を据え置く一方、量的緩和政策を年末まで1200億ユーロ拡大すると発表した。新型コロナウイルス流行による域内経済への悪影響に対処する。

欧州中央銀行(ECB)は12日の定例理事会で政策金利を据え置く一方、量的緩和政策を年末まで1200億ユーロ拡大すると発表した。写真は会見するラガルド総裁(2020年 ロイター/KAI PFAFFENBACH)

理事会後のラガルド総裁の記者会見での発言は以下の通り。

<新型コロナウイルスは成長に対する主要な衝撃>

新型コロナウイルスの感染拡大は世界経済、およびユーロ圏経済の成長見通しに対する主要な衝撃となっており、これにより市場のボラティリティーは高まっている。

<生産に大きな影響>

最終的に一時的な性質を持つものだったとしても、経済活動に大きな影響が及ぶ。供給網が阻害されることで生産が減速し、特に新型ウイルスの封じ込めに向け必要な措置を通して、内外の需要が減退する。

<意欲的かつ協調的な政策必要>

リスクにさらされている企業や労働者を支援するためには、意欲的で協調的な財政政策での対応が必要だ。

<政府による対応必要>

新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込め、経済的影響を軽減するという公衆衛生上の課題に対応するために、政府および他のあらゆる政策関連機関は適時かつ的を絞った措置を取ることが求められる。

<投資計画を阻害>

不確実性の高まりは投資計画やその資金調達に悪影響を及ぼす。

<資産買い入れ>

第1に、資産買い入れプログラム(APP)の枠組みに盛り込まれている全ての柔軟性を利用することを確証する。

第2に、資産買い入れプログラム終了時には、キャピタルキー(加盟国の経済規模や出資比率に応じた買い入れ割り当て)に向け動くことを確証する。

<野心的な政策協調が必要>

リスクにさらされている企業や労働者を支援するために、野心的な財政政策の調整が必要になっている。

<理事会は一致団結>

ユーロ圏の安定に対する脅威とわれわれが認識しているこれらのリスクに対処するために、利用可能なすべての政策措置を利用し、先に進むに従い措置の調整を検討していくことについて、理事会内で大きな支持があった。

<全ての利用可能な手段>

ECBの責務は物価安定で、現状においてわれわれは支援に向けて全ての利用可能な手段を講じ、必要不可欠な協調対応の一端を担っていく。

<米国の渡航制限>

ユーロ圏外の政府による決定にはコメントしない。われわれの責務は、こうした決定に起因する経済的影響を分析し、支援が必要となる分野を見極めると同時に現行の金融政策措置から恩恵を受けるかどうか評価する。

<景気はいずれ回復>

現在の衝撃は深刻と見なしているが、全ての関係者が適切な政策措置を講じれば、一時的な衝撃にとどまり景気は回復するだろう。しかし、その明確な時期は不確定だ。

<リバーサルレートではない>

ECBの金利は(緩和の効果よりも弊害が大きくなる)リバーサルレートの状況ではない。

<連携が必要>

われわれ全員が力を合わせることを望んでいる。一丸とならなければこの衝撃に対応できないと、財政当局者が理解することを望んでいる。

<新型コロナを受けチームを分割>

理事会レベルを含むチームの分割に取り組んでいるため、状況が非常に急速に改善しない限り、次の記者会見に私とデギンドス副総裁の双方が出席する可能性は低い。

また4月1日に開催される次回の理事会は完全にオンラインで実施する。

<資産購入プログラムは効率的な手段>

われわれは域内で分析されたリスクに的を絞った使用可能で最も効率的な手段が何であるかを判断するために、長く辛い熟考を重ねてきた。そして、それが事前に月ごとの割り当てを行わない一時的かつ大規模な購入枠を伴う資産購入プログラムであると確信した。これによりリスクがどのように展開するのかに集中しやすくなる。

資産購入プログラムは現状で使用できる最も効果的な政策であり、活用していく。

<慢心を懸念>

慢心することを懸念している。特にユーロ圏各国の財政当局の対応の遅れを懸念している。

われわれが呼び掛け続けてきた野心的で集団的な財政対応の方向に向け、16日に開催されるユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で断固とした動きが示されることを強く望んでいる。

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