[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのショイブレ元財務相は、欧州中央銀行(ECB)のラガルド新総裁はECBの責務の限界を尊重し、「極めて分別のある」金融政策運営を行うと期待していると述べた。
ショイブレ氏はECBのマイナス金利政策や資産買い入れ策などを鋭く批判。ECB批判の急先鋒として知られる同氏がこうした発言を行ったことは、ユーロ加盟国間に見られる見解の相違の緩和に向け就任したばかりのラガルド総裁が大きな課題に直面していることを示している。
現在、独下院議長を務めるショイブレ氏はロイターのインタビューで、ラガルド氏が仏財務相、及び国際通貨基金(IMF)専務理事を務めていた際、ユーロ圏債務危機などへの対応で協力した経験などを強調。幅広い国際的な経験を持つラガルド氏はECB総裁として「極めて分別のある」力強い金融政策を追求すると確信していると述べた。
ただ、「ECBの責務は限定されている」とも指摘。ドイツの預金者を中心に出ているECBのマイナス金利政策への批判を暗に示唆した。
今月1日にECB総裁に就任したラガルド氏は4日、就任後初の講演で、ショイブレ氏の欧州統合へのコミットメントのほか、ベルリンの壁崩壊以来のドイツの分断解消で発揮した政治的手腕を称賛。批判派を含むあらゆる立場の人々との協力に前向きな姿勢を示唆した。講演では金融政策には言及しなかった。[nL3N27K4DC]
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