[サンティアゴ 24日 ロイター] - 国連の中南米カリブ経済委員会(ECLAC)は24日発表の中南米報告書で、こうした地域での新型コロナウイルス禍の社会的打撃が根強く続いており、経済成長や貧困軽減、経済格差解消への道に戻れていないと指摘した。
このため子どもや若者の教育が長年にわたって大きく阻害される「静かなる危機」に陥っていると警告した。
報告書はこの地域の来年の経済成長率が1.4%にとどまり、今年の予想3.2%から鈍化すると予測。高インフレや公的保護から抜け落ちるインフォーマル労働者の増大、雇用回復の不安定などの影響を指摘した。
中南米の18歳未満のうち貧困状態で暮らすのは今年で45.4%と想定。中南米の人口全体に占める比率より約13.3%高いという。18歳未満のうち極度の貧困は18.5%とした。
中南米とカリブ海地域での学校の対面授業の全面ないし部分中断は2020年2月から今年3月まで70週に及んだとし、世界平均で見た全面中断の21週、部分中断の20週をはるかに超えたと指摘。長期の学習機会の喪失に対し即効性のある解決策はないため、地域に元々存在していた教育機会の不均衡がさらに進行。地域の発展の機会が大きく損なわれたままになっているとした。
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