June 21, 2019 / 11:05 PM / 3 months ago

焦点:ブラジルとメキシコ通貨、「異例の逆相関」持続するか

[ブラジリア 14日 ロイター] - ブラジルレアルが上昇する一方、メキシコペソが値下がりするという足元の動きは、過去の多くの局面で両通貨が足並みをそろえて推移してきた経緯を見れば、極めて異例の事態だ。

 6月14日、ブラジルレアルが上昇する一方、メキシコペソが値下がりするという足元の動きは、過去の多くの局面で両通貨が足並みをそろえて推移してきた経緯を見れば、極めて異例の事態だ。写真はメキシコペソ紙幣。2017年撮影(2019年 ロイター/Edgard Garrido)

市場関係者の間ではこうした「逆相関」が続くかどうかが話題となっているが、いずれレアルとペソは連動性を回復するとの見方が多い。ただ一部では、投資家の考え方に基調的な変化が起きたため、対照的な値動きは解消されないとの声も出ている。

スタンダード・チャータードのシニアストラテジスト、イリヤ・ゴフシュタイン氏は、トランプ米大統領が5月30日に不法移民問題に絡んでメキシコからの全輸入品に関税を課すと示唆したことが、投資家のメキシコペソ建て資産圧縮を誘うきっかけになったのではないかとみている。

ゴフシュタイン氏は顧客向けノートで「メキシコのリスク資産(の価格)は短期的に幾分回復するだろうが、トランプ氏が関税をちらつかせたことで、メキシコ資産の保有におけるより恒久的なリスクプレミアムが加わった」と指摘。その結果として投資家はメキシコペソからブラジルレアルに資金をシフトする可能性があると付け加えた。

ペソは過去数週間で一時5%下落。トランプ氏が関税方針を撤回すると下落分の大半を取り戻したものの、その後同氏はメキシコが自身の要求を満たすことができなければ今後も関税を課す意向を再び示唆している。メキシコの格下げもペソの打撃要因だった。

レアルは、年金改革が議会で承認されるとの期待もあり、過去3週間でおよそ6%上がった。

両通貨のチャートは、ほぼ常に正の相関性があったレアルとペソに負の相関性が生まれている様子を示している。

ブラジルとメキシコが1990年代半ばから後半にそれぞれ経済危機と通貨切り下げを経験して以降、レアルとペソは上がるときも下がるときもほぼ連動してきた。

平均相関係数(プラス1が最大の正の相関性、マイナス1が最大の負の相関性)は、過去5年がプラス0.5、過去10年がプラス0.52、過去20年がプラス0.48といった具合だ。20年を振り返って係数がマイナスになったのは7回だけで、いずれも数日もしくは数週間しか持続していない。

また、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータに基づく投機筋のレアルとペソの先物ポジションの差の変化を見ると、5月にペソのレアルに対する強気度は、CFTCがレアル先物ポジションのデータ集計を始めた2011年以降で最も高まっていた。ペソ買い持ちとレアル売り持ちの差が17万4000枚に達したからだ。

それ以降、この差はおよそ2万枚縮小した。とはいえ、転換点を迎えたかどうか判断するのはまだ早過ぎる。

この先の展開としては2つの考え方がある。1つ目は、ブラジルの年金改革が景気後退突入によって新たな壁にぶつかり、最近の同国に対する明るい見方が消えてしまう状況。そうなると投資家は、米国の景気減速がはっきりしてくるとともに新興国市場全般を敬遠し、レアルはペソと同じように低迷するだろう。

もう1つのシナリオは、米国とメキシコの関係が悪化してトランプ政権が実際にメキシコからの輸入品に関税を発動する半面、ブラジルで年金改革が議会を通過して成長が上向き、レアル建て資産への需要が強まるケースだ。この場合、レアルとペソの負の相関性は一層強まることになる。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below