[ベイルート 31日 ロイター] - レバノン中央銀行のサラメ総裁は、2月1日から1米ドルを1万5000レバノンポンドとする新たな公定為替レートを導入すると発表した。レバノンポンドは25年間据え置かれてきた現行公定レートの1ドル=1507レバノンポンドから90%の切り下げとなる。
実勢での対ドルレートは31日が5万7000レバノンポンド前後で、切り下げ後の公定レートからも大きくかけ離れている。
サラメ氏によると、新たなレートは銀行に適用され、2019年の金融危機の震源地となった銀行は自己資本が低下する見込み。通貨切り下げによる損失を吸収するために、銀行には5年間の猶予が与えられる。
新公定レートの導入は為替レートの一本化に向けた取り組みの一環。レートの一本化は、国際通貨基金(IMF)と昨年暫定合意した、30億ドルの救済措置を実行する上での条件になっているという。
レバノンは経済のドル化が進み、為替取引の大半は実勢のレートで行われているため、新たな公定レートの導入が経済に幅広く影響することはないとアナリストはみている。
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