February 15, 2018 / 4:29 AM / 3 months ago

アングル:機械受注5年ぶり減少、非製造業弱く 省力化投資期待外れ 

[東京 15日 ロイター] - 2017年12月の機械受注が大幅減少し、暦年では5年ぶりのマイナスを記録した。回復期待の高まってきた設備投資の先行きに懸念が浮上した格好だ。中でも人手不足が顕著な非製造業の弱さが目立つ。政府は生産性革命などへの優遇措置を打ち出しているが、設備投資が加速する兆しはみえない。また、足元で進行する円高が、堅調な製造業の投資意欲に悪影響を与えるリスクも出てきた。

 2月15日、2017年12月の機械受注が大幅減少し、暦年では5年ぶりのマイナスを記録した。回復期待の高まってきた設備投資の先行きに懸念が浮上した格好だ。写真は群馬県の工場で2012年3月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

<ネガティブショックの声>

船舶・電力を除いた民需の機械受注は、概ね半年程度のタイムラグで設備投資に表れる。12月受注額(季節調整値)は、前月比11.9%減だった。ロイターの事前予測同2.3%減を大幅に下回った。

10、11月の伸びの反動が出た面もあるが、10─12月期でならすと、前期比0.1%減と減少に転じた。17年通年では前年比1.1%減と5年ぶりに減少し、足元の勢い鈍化だけでなく、受注額水準自体が下がってしまった。

こうした結果が、今年後半あたりからの設備投資動向に影響しかねないとみられている。

エコノミストからは、前日発表の国内総生産(GDP)での設備投資が堅調だっただけに、予想以上の落ち込みに「ネガティブ・ショック」との声も相次いでいる。

それでも「大きく下振れが見られたものの、腰折れしている印象はなく、過去10年間における最高水準で推移していると判断できる。企業の設備投資意欲は底堅い」(農林中金総研・主席研究員・南武志氏)と評価する声もある。

<広がらないロボット・AI投資>

ただ、目立つのは非製造業からの受注の弱さ。製造業は3四半期連続の受注増となったが、非製造業は一進一退となり、10─12月期は前期比2.0%減。

人手不足の目立つ運輸や建設、卸売・小売では増加しており、大手を中心にロボット・人工知能(AI)などを駆使した自動化や、自動化流通倉庫への投資などが話題となっているが、全体をけん引するほどの強さはなく、中堅・中小企業への広がりが出ていない可能性がある。

BNPパリバ証券・シニアエコノミスト、白石洋氏は「GDP統計の設備投資の勢いがしっかりしていたのは、建設投資がけん引している面がある。インバウンド需要などで、宿泊や不動産などからの需要が強い。それに対して、機械投資は国内ではそれほど強くない。製造業では国内の大規模工場投資は少ない。非製造業でも省力化投資は金額のかさむ大型案件は少ない」と解説する。

この先、1─3月の機械受注見通しは前期比0.6%増。緩やかながら増加が見込まれている。好調な企業収益、低金利、人手不足、オリンピック需要など、設備投資を取り巻く環境は良好。大型投資は活発でないにしても、緩やかな伸びが期待できるとの見方が覆るほどの材料も出ていない。

SMBC日興証券・チーフマーケットエコノミストの丸山義正氏は「機械受注の基調が一進一退から脱していない点を踏まえると、景気拡大のけん引役としての役割は、なお期待できないだろう」と指摘。今後は、円高進行で設備投資が失速するリスクもあるとしている。

中川泉 編集:田巻一彦

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