[東京 13日 ロイター] - 内閣府が13日に発表した6月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、4─6月が前期比2.9%増と4四半期連続増加した。鉄鋼業の大型案件など製造業が押し上げた。他方、7─9月見通しはほぼ横ばい見通しとなり、企業の慎重姿勢が伺われる。
6月は前月の反動もあり前月比7.9%減と4カ月ぶりの減少。減少幅は事前予想より大きくなり、2014年5月の16.4%減以来の大幅な落ち込みとなった。製造業は14.0%減と2ケタの落ち込み、非製造業は3カ月ぶりの増加ながら0.6%と微増にとどまった。
それでも4─6月は前期比2.9%増で、4期連続の増加となり、内閣府は「持ち直している」との判断を維持した。受注額水準は2兆6460億円となり、リーマン・ショックのあった08年の4─6月以来の高い受注水準となった。鉄鋼業や電気機械、一般機械が押し上げた。
他方で外需は6月こそ前月比20.3%増と複数の大型案件が押し上げたが、4─6月通してみると前期比5.7%の落ち込みとなった。
SMBC日興証券では「自動車関連や鉱業投資関連は資源安や中国景気の減速の影響を受けており、電機関連はスマホ市場の成長鈍化など、シリコンサイクルの減速が背景にあるとみられる」と分析している。
先行き7─9月について内閣府が各企業から聞き取りした数字をまとめた見通しは、前期比0.3%増と微増。ほぼ横ばいといえる弱い数字は、消費や輸出が停滞感を増せば企業の投資姿勢が慎重化し、減少に転じかねない数字だ。
外需は前期比8.0%と増加に転じる見通しとなっている。中国経済の減速の影響が高まっている中で、こちらも下振れが懸念される。エコノミストの中にも、目先の機械受注が足踏みする可能性も出てきたとの見方がある。
中川泉 編集:内田慎一
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