June 13, 2016 / 3:22 AM / 3 years ago

株安・円高進行、高まる英EU離脱懸念:識者はこうみる

[東京 13日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比432円88銭安の1万6168円48銭と大幅に続落した。英国の欧州連合(EU)離脱に対する警戒感が高まり、前週末の欧米株が下落。リスク回避の流れが東京市場にも波及し、幅広い銘柄に売りが先行した。正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の106.19/21円だった。来週予定の英国民投票への警戒感からリスク回避ムードが継続し、ドル/円はジリ安で推移した。市場関係者のコメントは以下の通り。

 6月13日、前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比432円88銭安の1万6168円48銭と大幅に続落した。写真はロンドンで3月撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)

<三菱UFJ国際投信 チーフストラテジスト 石金淳氏>

海外市場がリスクオフになり円高が進むと、日本株も売られてしまう。当面は辛抱のしどころだ。場合によっては、日経平均は1万5000円台に入ることもあるだろう。英国の欧州連合(EU)離脱問題をめぐっては、世論調査で離脱派が優位となった。原油相場も利食い売りが出ている印象。米原油先物は1バレル=40ドルを下回るところまで売られてもおかしくはない。

また米国株はS&P総合500種.SPXが過去のピーク近くにあり、高値警戒感が生まれやすい。フロリダの乱射事件や上海の空港内での爆発も、投資家心理には暗い影を落としている。

一方、日本株は海外株に比べ割安感がある。東証1部ベースで予想平均配当利回りは前週末時点で2%強。個別ではもっと上の水準の銘柄もある。さらに東証1部のPBR(株価純資産倍率)は1.15倍。銀行株などは1倍割れのところもある。PBRは1.1倍を割れたあたりはボトムとみることもできる。ある程度下落した局面では買いも入りやすい。

<上田ハーロー 外貨保証金事業部次長 森宗一郎氏>

機関投資家やヘッジファンドなどリスクに対して過敏になっている。リスク回避の円買いが出やすく、ドルは106円前半まで下押しされている。英国の国民投票を控えて月末まで神経質な値動きが予想される。

今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げ見送りがコンセンサスのため、相場が大きく動くことはなさそうだが、7月のFOMCまでに発表される経済データがポジティブであれば、年2回の利上げの可能性もなくはない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が記者会見で今後の経済見通しをどのように示すのか注目したい。

日銀金融政策決定会合に対しては、一部で追加緩和期待もあるようだが、現在のリスクオフ材料は国内要因ではない。日銀が単独で行動しても焼け石に水で、手持ちのカードを失うだけのように思える。その中で効果的なのは、日銀から円高に対してけん制的なコメントが出てくることだろう。日銀が為替水準に対して言及することは少ないので、日銀からけん制が出れば積み上がった円買いポジションが巻き戻される可能性もありそうだ。

月末にかけては、英国の国民投票が市場の最大の関心事となる。ただ、世論調査は欧州連合(EU)からの離脱と賛成が拮抗していてどちらに転ぶか分からない。結果が明らかになってくるのは24日の朝からということで、欧州勢の参加者が少なく流動性が低下していると思われる。ポンドを中心に大きく動く可能性があるので注意が必要だ。離脱となればリスク回避の円買いが強まってドルは100円近くまでの下落もあり得る。

<ソシエテ・ジェネラル証券 株式営業部長 杉原龍馬氏>

海外市場でブレグジット(英国のEU離脱)リスクが織り込まれ、株式や為替などの各市場がリンクする形でリスクオフに押し流されている。日本株のポートフォリオを減らすというよりも先物をベースに取引をする投資家が先行きの変動リスクを避けるためにポジションを落としているという印象だ。23日のEU離脱をめぐる英国民投票を通過するまでは株価が上昇することは難しく、節目の1万6000円前後を維持できるかが目先のテクニカルのポイントとなる。

もっとも、英国民投票でEU離脱が確定してもあく抜けにつながりそう。現時点では英国が離脱した後のプロセスが全く見えておらず、WTOなどとの話がまとまるのは早くても2─3年はかかる。投資家はショッキングなイベントを受けて株価が大きく上下動するリスクを避けているだけなので、そのイベントが終了すれば緩やかに通常モードに戻ってくる。イベント通過で不透明感が払拭され、リスクオフに傾いたポジションを巻き戻す動きが出てきそうだ。

<三菱東京UFJ銀行 シニアアナリスト 天達泰章氏>

ドルが106円付近まで下落したのは、英国の国民投票に関する世論調査で、欧州連合(EU)離脱が優勢になったことが影響している。日経平均株価が一時500円を超える下落となり、リスク回避の円買いが強まった。

今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合は、それぞれ円高イベントになるとみている。FOMCではドットチャートから予想される利上げペースが鈍化する可能性が高く、ドル売りで反応しそう。一方、今回の日銀会合は政策の現状維持が見込まれており、追加緩和を期待する一部の参加者から失望のドル売り/円買いが出そうだ。状況によってはドルは今週中に105円を割る可能性もある。

英国の国民投票でEU残留となればドルは大きく巻き戻されるだろうが、実際に離脱となれば、リスク回避姿勢がさらに強まる。105円から大幅に離れ、102、103円程度までの下押しもあり得るだろう。

*内容を追加しました。

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