Reuters logo
欧州投資家、円高リスク後退なら日本株に関心も
2017年9月7日 / 09:37 / 12日前

欧州投資家、円高リスク後退なら日本株に関心も

 9月7日、海外勢の日本株売りが続いている。日本経済や企業業績が悪化しているわけではないが、地政学リスクが高まるなかで、積極的に買う材料にも乏しく、さえない展開となっている。東京証券取引所で2015年8月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 7日 ロイター] - 海外勢の日本株売りが続いている。日本経済や企業業績が悪化しているわけではないが、地政学リスクが高まるなかで、積極的に買う材料にも乏しく、さえない展開となっている。

ヘッジファンドなど短期筋が売りの中心とみられているが、バリュエーションも米株などと比べ低いだけに、円高リスクが後退すれば関心を示す長期投資家も少なくない。

欧州系の海外投資家の日本株に対する見方は以下の通り。

●日本株はニュートラル、円高に懸念

<ドイチェ・アセット・マネジメント アジア太平洋地域最高投資責任者 ショーン・テイラー氏(香港在勤)>

アセットクラスとしては、債券より株式を選好する。株式では、米国がアンダーウエート、欧州と新興国はオーバーウエート。日本は、他地域との相対比較でリターン優位性がないこと、カタリストを欠くことから、ニュートラルとの判断だ。

日本経済は着実に回復しており、企業業績は堅調で見通しもいい。雇用はタイトで、年後半には賃金や消費に寄与するだろう。バリュエーションでも日本株は過去の水準や債券と比べて割安だ。予想PER(株価収益率)でみれば日本は約14倍、米国は約18倍。ただしROE(株主資本利益率)でみれば、日本は9%程度で、米国の16%と比べて大きく見劣りする。

一方、足もとで再び円高基調が強まっており、今後輸出セクターの業績見通しが下方修正される恐れがある。短期的には、地政学リスクが相場の重しとなる。リスクオフが強まれば、逃避通貨とされる円は買われるだろう。

総合的には、日本株は米国より魅力があるとはいえ、欧州と新興国の方がより上値余地がある。日本株の投資判断引き上げには、他の地域をアウトパフォームできるカタリスト、および円の下落基調を確認することが必要になる。

●日銀金融緩和政策の転換を警戒

<BNPパリバ・アセットマネジメント・フランス マルチアセット・ソリューションズ インベストメント・スペシャリスト ピエール・アモリ・タバレイ氏(パリ在勤)>

われわれは現在、日本株をニュートラルとしている。

日本株については、相対的に低いバリュエーション、堅調な企業業績もポジティブな側面だ。さらに日銀の金融緩和によるサポートも続くはずだ。

にもかかわらず、日本株をオーバーウエートしない理由の1つは、株価とドル円の相関性が低下していることだ。また、日銀の金融政策は相場をサポートしており、短期的には変更されると予想してないが、2018年に黒田総裁が続投したとしても、日銀も他の中銀に倣って緩和的な政策の修正に動くのではないかとの懸念を持っている。

現在オーバーウエートは、米国不動産と新興国債券(自国通貨建て)だ。

●オーバーウエート継続、業績やガバナンス改善を評価

<コムジェスト・アセットマネジメント ポートフォリオ・アドバイザー リチャード・ケイ氏(東京在勤)>

当社グローバルファンドの日本株の組み入れ比率は足もとで30%超と、日本株のオーバーウエートを維持している。MSCIオールカントリー・ワールドインデックス(ACWI)構成比率で日本が7%程度であることを考えれば、かなり強気だ。

われわれの見解では、日本は依然魅力がある。企業業績には拡大余地があり、コーポレートガバナンスの面でも進展がみられる。

最近、海外勢が日本株を売り越しているのは、地政学リスクの高まりを嫌気した側面が大きい。代わりに、グローバル資金は新興国に向かっている。実際、当社の新興国ファンドにも資金が流入している。

先行きについては10月がカギだ。地政学リスクは解消されずとも、中間決算で企業業績の好調さを確認できるはずだ。そうなれば、自ずと株価も上昇するだろう。

●賃金とインフレ伸びず、対ドルの円高も逆風に

<NNインベストメント・パートナーズ マルチアセット プリンシパル・ストラテジスト パトリック・ムーネン氏(ハーグ在勤)>

日本株については、ここ数週間、世界経済成長の上振れ、企業業績の改善、相対的に低いバリュエーションといった追い風が吹いているが、現在ニュートラルの投資判断を引き上げるには不十分だと考えている。

具体的には、世界景気の好転によっては、日本の、とりわけ輸出セクターは大きな恩恵を受ける。そして業績モメンタムは力強く、欧州や米国と比べても良好だ。リスクプレミアムで見ても、日本は世界の主要株式と比べて割安感がある。

その一方で、これは他の先進国でも同じだが、日本でも賃金上昇が加速せず、インフレ期待も依然として低過ぎる。また、ユーロ高で幾分インパクトが相殺されるとはいえ、米ドル安による円高は大きな逆風と言えよう。

インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below