[ロンドン/ニューヨーク 8日 ロイター] - 仮想通貨ビットコインが8日の取引で10時間足らずの間に約20%下落した。
これに先立つ48時間では40%を超えて急騰しており、値動きの荒い展開に市場では価格崩壊の懸念が高まっている。
ビットコインは7日、米国の本拠を置くGDAXでわずか1時間余りの間に1万6000ドルを下回る水準から1万9500ドルまで上昇。ただ、ルクセンブルクに本拠を置くビットスタンプBTC=BTSPではその時点ではまだ1万5900ドル近辺にあった。
その後ビットスタンプでは8日0200GMT(日本時間8日午前11時)頃には1万6666ドルに上昇、1200GMT(同午後9時)には1万3482ドルと、19%下落するなど値動きの荒い展開となった。直近では9.3%安の1万5091.97ドル。
こうした動きについて金融コンサルタンシー、ディーヴァー・グループのナイジェル・グリーン最高経営責任者(CEO)は、「取引は過熱していたため、適切な調整が入ったと考えている」とし、「ビットコイン取引は向こう数週間は荒い展開となる」と予想。「現在のようなデジタル化社会に仮想通貨は必要なものとなっている。現在出回っている仮想通貨のうち生き残るのは1つか2つとみられ、ビットコインが生き残るかは現時点では分からない」と述べた。
ビットコインが急落するなか、他の仮想通貨は上昇。取引サイトのコインマーケットキャップ(Coinmarketcap)によると、ビットコインに次いで規模が大きいイーサリアム(Ethereum)は8%近く上昇した。
ビットコインは週初から約30%上昇。年初からは約15倍の水準に上昇している。
ビットコインを巡っては、オプション取引所(CBOE)を運営するCBOEグローバルマーケッツCBOE.Oが10日に、米先物取引所運営大手のCMEグループCME.Oが18日に先物取引を開始。市場運営会社の米ナスダックNDAQ.Oもビットコイン先物の取引を2018年に開始する見通しとなっている。
市場関係者は、こうした動きもビットコイン相場の上昇の背景にあると指摘。外為ブローカーのアイロンFXのアナリスト、ピーター・イオシフ氏は、「CBOE、CME、ナスダックが近い将来にビットコイン取引の舞台を整えることで、ビットコインが国際的な認知に向けさらに一歩踏み出すとの見方が投資家の間で広まる可能性がある」と述べた。
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