[ニューヨーク 5日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が5日に公表した3月の資本データによると、米国債利回りの上昇に伴い新興国市場の株式や債券ファンドへの純流入額が101億ドルと、2020年4月以来、11カ月ぶりの低水準に低迷した。中国を除く新興国市場にはほとんど資金が流入しなかった。
2月の新興国市場への純流入額は234億ドルだった。
3月の流入額のうち90%近くが中国に流れ込んだ。38億ドルが株式へ、50億ドルが債券へ流入。中国を除いた新興国市場では株式ファンドへ2億ドル、債券ファンドへ12億ドルが流入した。
IIFは「期待外れのデータだが、一次産品の値上がりや建設的な国際収支からくる支援材料はまだある」と述べた。「2018年の新興国資産売りや、13年のテーパータントラムよりも波及リスクは低いとみている」とした。
IIFは、トルコ中央銀行のタカ派的な総裁が予想外に解任されたことを受け、同国の先行き不透明感が漂ったことも新興国資産の買い意欲が弱まった一因だとの見方を示した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」