[ブリュッセル/マドリード 14日 ロイター] 欧州委員会は、スペインのラホイ政権が3月の地方選挙を前に財政緊縮措置の導入を延期したことに関連し、5月までに同国に対し制裁を課す可能性がある。複数の関係筋がロイターに対し明らかにした。
関係筋のうち1人は、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)が欧州連合(EU)加盟27カ国の財務相に対しスペインに対する制裁措置を導入するよう提言するかとの質問に対し、「そうした可能性は非常に高い」と述べた。
そのうえで「制裁の導入は不本意だが、規定違反があり、回避がほぼ不可能な場合は導入する必要がある」と述べた。
スペイン政府が財政赤字削減目標を達成できなかった場合に課される制裁は、制裁金の支払いとなる見通し。欧州委はマクロ経済の不均衡に関する報告書のなかでスペインを名指しするとみられているが、制裁はこれとは別に行われる。
スペイン政府報道官はこうした動きについて「憶測でしかなく、誤解を与える情報だ」としている。
欧州委は最終的な決定は下していないものの、スペインのラホイ政権が2012年の財政赤字状況が改善したとみえるよう、2011年の赤字を水増しして報告した可能性があるとみている。
また、3人のEU高官は、スペインは2012年に見込まれる公的財政の悪化に対し十分に迅速に対応していないため、長期的な経済成長がリスクにさらされていると指摘している。