[パリ 28日 ロイター] フランスのオランド政権は28日、富裕層や大手企業向けの増税を柱とする財政赤字削減策を盛り込んだ2013年予算案を発表した。
300億ユーロ(390億ドル)を削減し、来年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を今年の4.5%から3.0%に引き下げることを目指す。
削減分の約200億ユーロは増税によるもので、残りの100億ユーロは公共支出の凍結を通じ行われる。
増税措置では、100万ユーロを超える所得に一時的に75%の税率を適用するほか、15万ユーロ超の所得を対象に新たに45%の税率を導入する。また、配当やその他の投資に対する税率を引き上げ、既存の税控除やその他の優遇措置も縮小する。
エロー首相は、仏経済を再び軌道に乗せるための予算とし、プラス0.8%の来年の経済成長見通しは「現実的かつ野心的」と述べた。
そのうえで「信認を取り戻し、拡大を続ける債務のスパイラルを断ち切ることを目指した予算だ」と述べた。
仏政府はさらに、今回の予算を皮切りに、財政赤字を2017年までに対GDP比で0.3%まで引き下げるための措置を打ち出していくと言明した。
しかし、過去最高水準にある失業や景気停滞を示す一連の経済指標を踏まえ、エコノミストらは、来年の仏経済成長率がプラス0.8%の見通しに届かず、赤字削減目標の達成も難しくなるとみている。
ナティクシス・アセット・マネジメントのフィリップ・ベヒテル氏は「政府が示した目標は極めて大胆」とし、「2013年以降、(目標達成に)必要な成長をどう確保するのか予想しかねる」と述べた。