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〔クロスマーケットアイ〕流動性相場下支え役に加わった欧州、米に資金流入なら日本株にメリット

[東京 5日 ロイター] - 流動性相場の下支え役に欧州が加わった。米量的緩和
の縮小観測の織り込みも進んでおり、市場には再びリスクオンムードが広がっている。新
興国からの資金流出が加速せず、景気堅調な米国にマネーが流入するようであれば、ドル
高・米株高が進み、日本株にとってもポジティブだ。海外勢の日本株買いが回復する中で
、国内勢の売りは減少傾向にある。売買代金は減少傾向だが、じりじりと戻りを試すとの
見方も強まってきた。
    
    <ECBは歴史的転換>
    
    欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、先行きの金融政策に関し、事前に約束を
しないという従来の慣例を破り、将来の政策指針(フォワードガイダンス)を表明。イン
グランド銀行(英中央銀行、BOE)も、将来の金融政策に関するガイダンスの提示に踏
み切る構えを示唆した。
    カーニーBOE新総裁は「偶然」とするが、欧州の2つの中央銀行が相次いで、緩和
方向に金融政策のバイアスを強めたことで、市場にはリスクオンムードが再び強まってい
る。
    
    2つの欧州中銀が緩和バイアスを強めた背景には、インフレ懸念が強まっていないこ
ともあるが、米量的緩和第3弾(QE3)の縮小観測があるとみられている。
    バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は6月19日の会見で、QE3縮小に向
けた「ロードマップ」を提示。市場には動揺が広がっていた。
    金融相場を支える流動性が縮小するとの観測で、ヘッジファンドなどがリスクポジシ
ョンの巻き戻しを加速させれば、米国と比較して回復がかなり鈍い欧州経済にとって痛手
となりかねない。
    
    日本の「異次元緩和」に加えて、欧州の金融緩和が流動性相場を支えれば、懸念され
る新興国からの資金流出も加速せずに済む可能性がある。
    実際のマネーフローには経常収支動向など複雑な経路が介するが、実際上、流動性相
場を支えるのは市場のセンチメント。QE3縮小観測で縮こまっていたリスク選好マイン
ドが回復すれば、緩和マネーの勢いが回復する可能性がある。
       
    シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、ECBの決断を「歴史的
転換」と評価。「FRBのQE3縮小について、市場は相当程度、織り込んだのではない
か。そうした中でECBから異例ともいえる緩和姿勢が示され、投資家のリスク選好度が
大きく回復している。米経済は年後半にかけてソフトパッチを脱する見込みだ。日欧の金
融緩和が支えてくれて、業績相場にはそれほど混乱なく移行できるのではないか」との見
方を示している。

     <海外勢の日本株買い、緩やかに回復>
    
   米国は、金融緩和の縮小方向に加え、景気も相対的に堅調だ。日欧の金融緩和スタン
スとのコントラストが際立つ中で「ドル独歩高の可能性が強まってきた」(三菱UFJ信
託銀行・資金為替部グループマネージャーの塚田常雅氏)という。主要6通貨に対するI
CEフューチャーズUSのドル指数 は1カ月ぶり高値を付けている。

   ドル/円 は100円台を回復しており、円安を好感して日経平均 は29
1円高となり、1万4300円台を回復して戻り高値を更新した。米雇用統計を前に様子
見ムードも強かったが、「海外勢の買いが戻ってきている」(国内証券)という。
    
    外国人投資家は6月第4週に4151億円買い越したが、3月第1週のような1兆円
ペースからは鈍化している。
    ただ、公的年金からの売買注文を経由するとみられている信託銀行は、昨年11月第
2週から5月までに、約4兆3700億円売り越したが、6月に入り1092億円、61
8億円、89億円と売り越しペースが鈍化。第4週は843億円と8週ぶりに買い越しに
転じた。国内勢からの売り圧力は小さくなっている。
    
    「海外勢の日本株に対する評価は高いままだ。ただ、1年間通じて投資しようとする
と、状況がいい早い時期に配分してしまおうとするため、投資配分は上期にウエートがか
かるのが通常だ。今下期は上期にくらべ海外勢の買いペースが鈍ることは仕方ないだろう
。しかし、国内公的年金からの売りが減少してきており、少ない海外勢の買いでも上昇基
調を維持できそうだ」と立花証券・顧問の平野憲一氏は指摘している。
    
  ただ、欧州中銀の異例の政策は、それだけ欧州地域の経済状況が弱い証拠でもある。
ポルトガルの政局混乱で示されたように、緊縮財政路線は多難だ。中国など新興国経済も
持ち直しの兆しが見えたわけではない。ネガティブ材料は上期に比べ顕在化しており、ど
こまで流動性相場が強まるかは不透明な要素もある。
   
 <東京市場 5日>
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   日経平均      国債先物9月限      国債329回債    ドル/円(15:00)
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  14309.97円       142.55円         0.860%        98.53/55円     
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   +291.04円        +0.07円         変わらず       100.00/02円    
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注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。
    下段は前営業日終値比。為替はLDN午後3時。
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