[ニューヨーク 5日 ロイター] - 格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は5日、ポルトガルのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。政局混乱によって、すでにぜい弱な同国の経済がさらなる打撃を受ける恐れがあるとの懸念を示した。
同国の長期ソブリン格付けは「BB」で確認した。
S&Pは声明で「今週の主要閣僚の辞意表明は、すでに困難な状況にあるポルトガルの政策決定環境をさらに複雑にする」との見解を示したうえで、同社がポルトガルのソブリン格付け見通しを「安定的」に変更した今年3月時点に比べ、「政策余地がさらに狭まっていることを示唆している」と指摘した。
さらに今回の格付け見通し変更について「政局をめぐる不透明性の高まりが構造的な財政調整プロセスを遅らせ、国際支援の基盤を弱体化させるようであれば、今後ポルトガルのソブリン格付けを引き下げる可能性があるとのわれわれの見方を反映している」と説明した。
ポルトガルでは今週に入り、財務相と外相が相次いで辞意を表明。コエリョ首相は同国が難局を乗り越えると確信しているとの見解を示しているものの、追加歳出削減へのコミットメントや国際支援脱却に向けた取り組みに対する懸念が強まっている。
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