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[国連 3日 ロイター] - ウクライナの政変によって大統領職を解任されたヤヌコビッチ氏が、同国の法秩序を回復するためとして、ロシアのプーチン大統領に軍事介入を要請していたことが3日、明らかになった。
ロシアのチュルキン国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合でヤヌコビッチ氏の書簡の内容を公表した。緊急会合の開催はこの4日で3回目で、今回はロシア側の要請で開かれた。
書簡は「西側諸国の影響を受けたテロや暴力が公然と行われている。人々は言語や政治的な理由によって迫害されている」と主張。「そのため合法性、平和、法、秩序、安定を回復し、ウクライナ国民を守るためにプーチン・ロシア大統領に対し軍事力を行使するよう要請する」としている。
書簡は1日付。米国のサマンサ・パウエル国連大使はウクライナでロシア語を母語とする住民の生活が阻害されているという主張には裏付けがない、と反論した。
パウエル国連大使は、クリミア自治共和国首相の求めに応じてウクライナに軍部隊を配備することを正当化する法的根拠はロシアにはないと指摘。その権限を有するのはウクライナの議会だけだと付け加えた。
これに対してチュルキン国連大使は、パウエル国連大使がウクライナに関する全ての情報を米国のテレビを通じて得ているようだ、と応酬した。
会合では、大半のメンバーがウクライナでのロシアの行動を非難。シリアやイラン問題などでロシアを支持した中国は、ロシアを明確には非難しなかったが、内政の不干渉という原則には賛同した。
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