[北京/ブリュッセル 21日 ロイター] - 中国は欧州産ワインに対するダンピング(不当廉売)調査をめぐり、欧州連合(EU)と和解することで合意した。中国の習近平国家主席の欧州訪問前に決着をつけた格好となった。
中国は昨年同調査を開始。EUが中国製太陽光発電パネルに反ダンピング関税を導入することへの報復措置とみられていた。
太陽光発電パネルをめぐる摩擦が解消されてからも、中国はワインの調査を継続していた。
フランス政府は特に、中国との貿易で障害となっていた同調査が、来週予定される習主席の欧州訪問前に打ち切りとなることを望んでいた。
中国の高虎城商務相は21日、合意を歓迎し、「昨年太陽光発電パネルの問題を対話と協議で解決して以降、中国と欧州は貿易摩擦の対応で正しい方向に進んでいた」と述べた。
欧州のワイン生産者は、中国ワイン業界への技術支援を行うことで合意。これと引き換えに、中国の輸入業者は国内で欧州産ワインを広く普及させる意向だ。
EUの中国向けワイン輸出(香港除く)は2012年に2億5700万リットル、額にして10億ドル近くとなった。その半分以上はフランス産だ。
中国・EU間で残された大きな貿易問題は、通信業界をめぐるものだけとなった。
欧州委員会は、中国の華為技術(ファーウェイ) と中興通訊(ZTE) による通信機器の不当廉売の疑いについて調査を開始する可能性を示している。
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