[ワシントン 30日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)が公表した知的財産権の侵害状況に関する年次報告書によると、インドや中国など8カ国が「優先監視国」のリストに掲載されている。インドはジェネリック薬がまん延していることや海賊版商品の横行、中国は企業秘密の窃取について、それぞれ取り組みが不十分との見方を示した。
米商業会議所や医薬品業界は、インドに対してより問題が大きい「優先国」に指定して調査を開始するようUSTRに求めていたが、USTRは引き続き「優先監視国」として同国に対策の実行を促す姿勢にとどめた。優先国に指定すれば、場合によっては制裁が発動される可能性もあった。
USTRはインドに関して、医薬品の特許承認を限定していることなどが一部のイノベーターにとって深刻な問題となっていると指摘したほか、海賊版商品による著作権侵害がもたらす損失が2012年に約120億ドルに上ったとの見積もりも明らかにした。
また中国については、企業秘密の窃取に「重大な懸念」を表明し、中国政府に国内企業が海外の競争相手を利用する動きを止めるよう要請した。
USTRは昨年、ウクライナを「優先国」に特定したが、現在の政治状況を理由に特段の措置は打ち出していない。
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