[東京 3日 ロイター] - パイオニア は、クラブミュージックやライブなどで使われるディスクジョッキー(DJ)機器事業を売却する方向で最終調整に入った。売却額は600億円規模になる見込み。複数の関係者がロイターに明らかにした。苦戦する音響・映像(AV)機器子会社はすでに売却を決定しているが、これに加え、DJ機器事業も手放すことで、カーナビゲーションなど自動車用機器事業への経営シフトを加速する。
関係者によると、パイオニアは、バンクオブアメリカ・メリルリンチをアドバイザーに採用し、売却手続きに入った。買い手として、複数の外資系投資ファンドが最終候補に残っている。
パイオニアのDJ機器事業は、ダンスやライブでプロのDJに使われるレコードプレーヤーやミキサー、コントローラーを扱う。売り上げ規模は200―300億円で、DJ機器として世界トップシェア。
オーディオコンポやブルーレイディスクなどAV機器事業が赤字で苦戦しているのに対し、世界的にブランドが強く、プロや愛好家に根強い支持のあるパイオニアのDJ機器は優良事業。だが、ポートフォリオ見直しとして、AV機器に続いてDJ機器も事業売却を判断した。
パイオニアは今年6月、AV機器子会社の株式の大半を香港の投資ファンドとオンキヨー に売却することで基本合意。8月中の最終合意を目指していたが、遅れている。
パイオニアは「コメントできることはない」とした。 (佐藤和香子 取材協力:村井令二)
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