[ワシントン 9日 ロイター] - 2016年大統領選の民主党有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官は、今月中にもアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL─CIO)の幹部らと非公式会合をもち、貿易や社会インフラ、米連邦準備理事会(FRB)の理事メンバーの人選などの問題について話し合われる見通しだ。労組関係筋がロイターに明らかにした。
労組筋によれば、同評議会はクリントン氏に、オバマ大統領が最終合意に意欲を燃やしている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に対して反対姿勢を示すよう強く求めるとみられるが、オバマ政権で国務長官を務め、アジアとの連携構築強化に取り組んだクリントン氏には難しい問題だ。
実際、党内対抗馬のサンダース上院議員はTPPに強い反対の姿勢を示しているが、クリントン氏は断固反対といった姿勢は示していない。同氏は、労働者保護には積極的だが、TPPについては、最終的な合意内容を見るまでは態度を明確にしないと発言している。
同会合はメリーランド州のシルバースプリングで29─30日に行われるAFL─CIOの執行評議会の期間中に行われる見通し。AFL─CIOはサンダース氏ら他の候補者とも別途、会合をもつという。
クリントン氏はニューヨークで13日、経済について演説する予定になっており、労組幹部らはその内容を注視すると話している。
一方、サンダース氏は、大企業やウォール街への批判で党内進歩派からの支持を集めている。クリントン氏が依然として民主党内の有力指名候補であることに変わりないが、支持率の世論調査結果では、サンダース氏も差を縮めてきている。
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