[イスタンブール 1日 ロイター] - トルコ統計庁が発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.9%増、2020年は1.8%増加で、市場予想を下回った。
ロイターがまとめた予想は、第4・四半期が前年比7.1%増、2020年は2.3%増だった。
第4・四半期は季節調整済みの前期比で1.7%増加だった。
昨年後半は、新型コロナウイルスの感染第一波に見舞われる中、国営銀行が貸し出しをほぼ倍増させたことが寄与し、GDPは潜在成長率を大幅に上回る伸びを記録した。
2020年のトルコの成長率は主要20カ国・地域(G20)と新興市場国で中国に次いで2番目となった。その一方で通貨リラは急落、外貨準備は減少しインフレ率が15%へ上昇した。雇用もほとんど増加しなかった。
キャピタル・エコノミクスのシニア新興国市場エコノミスト、ジェイソン・タービー氏は「回復は不安定で、つまるところトルコの対外的脆弱(ぜいじゃく)性を一部悪化させる」と述べた。
金融部門が21.4%伸び成長をけん引した。
観光業・その他サービスはマイナス4.3%。これまで成長を主導していた建設業は3.5%減だった。
GDPの発表を受けてリラは1%上昇し1ドル=7.351リラとなった。
エルバン財務相はツイッターで、今年は物価安定を優先すると表明。アナリストはタイトな金融政策にもかかわらず今年の成長率は5%程度になるとの見通しを示している。
トルコ経済は過去20年間平均5%前後成長してきたが、2020年第2・四半期は新型コロナウイルスの影響で前年比9.9%減少した。第3・四半期は6.7%増加していた。
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