[ニューヨーク 16日 ロイター] - ドル/円 終値 97.51/54 始値 97.54/55 前営業日終値 97.37/40 ユーロ/ドル 終値 1.3326/31 始値 1.3337/39 前営業日終値 1.3344/46 16日のニューヨーク外為市場では、朝方発表された8月の米消費者信頼感指数が低 下したことを受け、リスク回避の動きが触発され、ドルがユーロと円に対して上昇した。 ロイター/ミシガン大学が調査した8月の米消費者信頼感指数(速報値)は80.0 と、4月以来の水準に低下。消費者の間で金利上昇や経済成長鈍化に対する警戒感が強ま っていることが示された。 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のグローバル市場ストラテジ スト、マイケル・ウールフォーク氏は、「米経済は消費者の後ろ盾なくして力強く成長す ることはできない」としている。 終盤の取引で、主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数 は0. 13%高の81.281ドル。 ユーロ/ドル は0.12%安の1.3332ドル。 ドル/円 は0.22%高の97.57円。この日のレンジは97.03─97 .77円だった。 米財務省が15日に発表した6月の海外投資家による対米証券投資統計によると、長 期有価証券(株式スワップ等除く)は669億ドルの売り越しとなった。売り越しは5カ 月連続で、売り越し額は2007年8月以来の大きさ。米連邦準備理事会(FRB)が緩 和縮小計画を打ち出してから米国債から資金が流出していることが裏付けられた。統計の 中身を見ると、国別財務省証券保有で1位と2位を占める中国と日本が大幅な売りを出し ていた。 こうしたことはこの日の外国為替市場にも影響。コモンウェルス・フォーリン・エク スチェンジの首席マーケットアナリスト、オマー・エシナー氏は、「米資産から資金が流 出しているとの懸念が出てきた」とし、「米国債利回り上昇は最終的にはドル支援要因と なるが、国債価格が低下を続ければ、米FRBによる緩和規模縮小計画は当初予想された ほどドルの押し上げ要因とならない可能性もある」と述べた。 この日の取引で米10年債利回り は2.866%と、2年ぶり高水準に 上昇している。 米経済指標がおおむね底堅く推移していることから、FRBは超低金利政策をそれほ ど長期間にわたり継続しない可能性があるとの予想も出ており、市場では長期的にはドル の堅調な地合いが続くとの見方も出ている。 スタンダード・ライフ・インベストメンツの投資ディレクター、ケネス・ディクソン 氏は、「米FRBは近く緩和縮小に着手すると見ており、ドルに対しては引き続き前向き な見方を持っている」と述べた。
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