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オバマ大統領が教育費適正化で新対策、大学の価値評価制度を提案

[ワシントン 22日 ロイター] - オバマ米大統領は22日、高騰する米国の教育費を引き下げるため、大学の経済的価値を評価し、その格付けに基づき連邦政府の補助金を支出する新たな制度の導入を提案した。

夏休み休暇中、経済活性化策のアイデアを練ることに多くの時間を費やした大統領は、選挙キャンペーンを思わせるニューヨークからペンシルバニアまでのバスツアーの皮切りに新たな提案を行った。

新制度は教育省に対し、学生や親が支払う学費に対して最も経済性の高い大学を選択できる評価制度を、2015学年度までに策定するよう求めている。

一方、大統領は議会に対して学生に対する連邦政府の学費援助をこの評価制度に基づき支給する仕組みを2018年までに法制化するよう求め、教育機関側がコスト意識を高めるよう促す考えだ。

このほか、新制度は学生に対する連邦政府の教育ローン負担を軽減するために、毎月の返済額を最大月収の1割に制限することも目的としている。

計画の多くは議会の承認を必要とするため、実現は難航する可能性がある。また大学の多くは財政的に厳しい状況にあるが、民間の大学ランキング制度に比べて大学側が影響力を及ぼしにくくなる可能性があるとして、反対に回る事態も予想される。

ニューヨーク州立大学で演説したオバマ大統領はこう語った。「高等教育がこれほど重要かつ、高額なものになったことはない今、あまりに多くの学生が本来必要のないはずの選択を迫られている。大学への進学を諦め、学位の取得を断念するという代償を払うか、それとも多額のローンを抱えて返済リスクを冒してまで、何としても大学に進学するのかという選択だ」

カレッジ・ボードによると、4年制の公立大学に通う州内出身者の2013年の平均的な学費は約8655ドルで前年から4.8%増加した。私立大学はこれをはるかに上回る。

連邦政府は学生の財政的支援に毎年1500億ドル以上を支出しているが、支出は学生の登録数に基づくもので教育の価値は考慮していない。

下院教育労働委員会のジョン・クライン委員長(共和党)はオバマ大統領の計画に慎重な姿勢を示しており、声明で「恣意的な大学のランク付けを押し付けることで、われわれが奨励したいと考えているイノベーションが抑えられることを懸念している。連邦政府の価格統制にもつながりかねない」との考えを明らかにした。

高等教育センターのディレクター、アンドリュー・ケリー氏は、大統領の提案は、教育機関が変革に向けやる気を出すある程度の材料になるのではないかとみている。ただ、教育関連のロビイストや一部の議員は、大学の格差拡大につながると主張する可能性があると指摘した上で「政治的な闘争が面白くなりそうだ」と話している。

大統領専用機で大統領に同行したダンカン教育長官は22日、記者団に対し、新制度は学費が高い大学を選ぶ学生にとって選択の余地を残すものだと説明した上で「学生にはまだ選べる部分があるが、確実に良い者が報われる制度にしたい」と語った。

米教育統計センターによると、授業料と寮費や食事代を含む高等教育の年間費用は4年生の公立大学の学部生で2011年に平均1万5900ドルに上り、10年間で73%増加した。

消費者金融保護局(CFPB)の推計では、米国の学生が抱える教育ローンの残高は約1兆2000億ドルに上り、オバマ大統領は教育ローンの返済負担は米国経済の発展を損なっていると指摘した。

教育コストの上昇が理由で多くの若者が大学に進学できなくなっているとすると、米国は他国に比べて不利な立場に置かれていることになる。

オバマ大統領は今月、大幅に学生の連邦学生ローンの金利を引き下げ、10年物国債利回りに連動させる法案に署名している。

過去5年間にわたり大統領は大学授業料の適正化に向けた数々の政策を打ち出しており、大学側がコスト算定の透明性をより高めるための方策として低所得世帯の学生向けのペルグラント奨学金を増額したほか、州や大学に対してコスト引き下げにつながる助成金を支給している。

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