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〔アングル〕柏崎刈羽原発の再稼動、来年度以降の公算 東電値上げに政府の壁

[東京 3日 ロイター] - 東京電力 柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働時期が、来年度以降に大幅にずれ込む公算が大きくなっている。今年1月に政府の認定を受けた再建計画では今年7月を再稼働のメドとしていたものの、原子力規制委員会が優先して審査している他の原発の審査が遅れ、柏崎刈羽原発の再稼動に向けた実質的な審査が始まらないためだ。複数の政府筋が明らかにした。

金融機関はこれまで融資継続の条件として、再稼働困難なケースでは料金値上げを挙げてきた。だが、電気料金のさらなる値上げは日本経済にマイナスになるとして政府側が慎重姿勢を示しており、年末に向けて議論となる見通しだ。

東電が昨年末に作成した再建計画(総合特別事業計画)では柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働時期を今年7月としていたが、6月の株主総会で東電の山口博副社長は再稼働時期について「現時点で申し上げられる状況ではない」と述べており、メドが立っていない。このため、再稼働は最も早くても2015年度の夏までずれ込むとの見方が政府・東電内で浮上しつつある。

実際、優先的に審査が進んでいる九州電力 ・川内原発でさえ、申請書類の不備などで再稼働は今年秋以降と見込まれている。

また、想定される地震の最大の揺れや津波の高さなどをめぐって原子力規制委員会と電力各社の意見が食い違いが表面化し、他の原発再稼動における審査も軒並み長期化している。

原発稼働停止は、電力各社の経営にも大きな負担となってのしかかり、北海道電力 や関西電力 は2013年度まで3期連続の赤字を計上する状況となっている。

東電にとっても原発の長期稼働停止は収益の圧迫要因。メガバンクなどは昨年末、融資の継続条件として、13年度の経常黒字確保と柏崎刈羽の再稼働もしくは値上げの実施を掲げた。

このため再建計画(総合特別事業計画)では、再稼働が遅れれば値上げに踏み切る可能性に触れている。

数土文夫会長は3月末の記者会見で、再値上げの検討について「直ちに値上げを考えているわけではない。少なくとも12月までは一層の合理化の努力をする」と述べている。

複数の政府筋によると、ここに来て柏崎刈羽の早期再稼働の実現性が遠のくなか、政府側は、1)再稼働はあくまで原子力規制委員会の意向を尊重、2)稼働が遅れても値上げは回避──との方針・意向を東電・金融機関側に伝え始めたもようだ。  電力料金は、料金体系の抜本的な見直しを意味する「値上げ」のほかに、燃料コストの上下を反映するサーチャージとしての燃料調整費があり、結果的に電力料金は継続的に値上げされている。東京都区部の電気料金は6月に前年比9.3%上昇しており、震災・福島原発事故以後3年間、一貫して上がり続けている。  このため4月の消費増税で実質所得のマイナスが続く中で電力料金がさらに値上げされれば、景気回復に水を差しかねないと政府側は警戒する。

  政府側は、13年度に工事の先送りなどで東電が3期ぶりに経常黒字を確保し、老朽化した火力発電所の新設や共同運営で他の電力・ガス大手と提携する方向性を明確にするなど、経営改善に向けた取り組みが成果を挙げつつあることを重視。

柏崎刈羽の再稼働は、他の電力各社の原発と比べ相対的に緊急性が低く、金融機関からの融資継続に関しても協力を得ることが可能であると判断し、安易な値上げは認めない方向に傾いている。 (竹本能文 取材協力:浜田健太郎 編集:田巻一彦)

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