[シドニー/ウェリントン 11日 ロイター] - 11日のオセアニア外国為替市場では、豪ドルが6年ぶり安値近辺となっている。米ドルが買われる動きが加速したことが背景。乳製品大手に届いた脅迫状をめぐる懸念が、ニュージーランド(NZ)ドルを圧迫した。
市場のボラティリティの高まりで、国債に需要が集まり、豪国債先物の3年物 は7.5ティック高の98.125、10年物 は10ティック高の97.4560。9日には6カ月ぶり安値を付けていた。
欧州中央銀行(ECB)が今週、量的緩和を開始。ユーロ圏のほぼ全ての国の国債利回りが過去最低水準となる一方、オーストラリアなどの資産への投資妙味が増している。
このため、豪ドルはユーロに対して上昇しているが、対米ドルでは軟調。対米ドル で6年ぶり安値の1豪ドル=0.7603米ドルを付けた後、横ばいの0.7634米ドルで推移している。
0.76米ドルを割り込めば、次は2009年5月18日以来の安値である0.7451米ドルが目安となる。
NZドル は全般的な米ドル高基調を背景に、1カ月ぶり安値である1NZドル=0.7278米ドルをやや上回る水準で推移している。
農薬の使用を中止しなければ乳児用粉ミルクに毒物を混入させるとの脅迫状が乳製品大手に届いたことがNZドルを圧迫。乳製品各社や当局は、毒物の混入は見当たらないとしている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」