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UPDATE 2-物価2年で2%の目標堅持、昨年の追加緩和に効果=日銀総裁

(内容を追加しました)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は8日の金融政策決定会合後の記者会見で、2年程度で2%の物価目標を実現できるとの見通しに変化がないと強調した。足元の物価は前年比横ばいにとどまっており2%にほど遠い状況だが、秋以降に物価上昇が加速するとの見解を堅持した。昨年10月の追加緩和の効果で、直近の物価上昇率が縮小しても人々の物価観である予想物価上昇率は下押しされていないと述べた。

<秋以降物価上昇率は加速、失敗したと言われる筋合いない>

黒田日銀が進める巨額の国債買い入れを柱とした「量的・質的緩和政策(QQE)」は今月4日でスタートから丸2年を迎えたが、当初のスローガン通り2年で2%の達成は実現できていない。   

しかし黒田総裁は「2年程度を念頭にできるだけ早期に物価安定目標を実現する方針に変化はない」とし、2015年度を中心とする時期に目標達成を実現する姿勢に変化がないことを強調した。   

潜在的な成長率とのかい離を示す需給ギャップはほぼ解消されており、「長い目でみた予想物価上昇率も上昇している」とし、「原油安の影響がはく落し、今年の秋以降、物価上昇率はかなり加速していく」との見解を堅持した。   

春闘の賃上げ率が0・7%前後にとどまっているが、「中央銀行として春闘に圧力をかけるつもりはまったくない。失敗したと言われる筋合いはない」と反論した。   

日銀が追加緩和に踏み切った昨年10月と比較して原油価格は大きく下落しており、政策運営の目安とする消費者物価指数(生鮮除く、コアCPI)も実質前年比0%にとどまっている。   

しかし黒田総裁は「追加緩和の効果もあり、実際の物価の低下が予想物価上昇率の低下を通じて賃金や価格決定に影響を与えることは避けられている」と指摘。昨年10月とは異なり、デフレに戻るリスクが現時点で少ないとの見解を示した。   

債券価格から試算できる市場関係者の予想物価上昇率であるBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率 )は「原油価格が下落する過程で若干下がり、このところ上がってきている」が、企業やエコノミストを対象としたアンケートで測る中長期の予想物価上昇率は「昨年夏以降、足元の物価上昇率が鈍化してもしっかりしている」と指摘した。

  物価の基調的な動きを規定する要因のひとつである個人消費は、昨年4月の消費税率引き上げ以降、回復が遅れている。総裁は「消費税の影響で実質雇用者所得が前年比でマイナスになっていたが、この春から影響はなくなる」、「春闘のベアは0.7%程度と昨年の2倍近くになっている。今年は中堅・中小企業にも及んでいる」と指摘。「雇用者所得は着実に伸びているし、これからも伸びていく」と楽観的な見通しを示した。

<米経済回復続く、ドル独歩高の影響明確でない>

為替や輸出を通じ日本経済や物価に影響の大きい米国経済については、「民間需要中心にしっかりした回復を続けており、先行きも回復が続く」と強調。「ちょっと前までドルの独歩高が輸出に影響するのではと言われ、製造業の先行指標も若干弱くなったと言われているが、まだそれがはっきりしているわけではない」と述べた。   米国の利上げの時期をめぐっては「米FOMC(連邦公開市場委員会)が決めることで余計な予測をする必要はない」とし、利上げは「米経済金融情勢がしっかりしていることを示し、世界経済にとってマイナスでなくプラス」とした。   日銀によるETF(指数連動型上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の買い入れによる影響について、「今のところ金融市場に過度の強気化が起きているということはない」と、バブル懸念をけん制した。

仮にバブル的な現象が探知され「(市場が)行き過ぎている場合、ただちに引き締めることはなく、まずマクロプルーデンシャル(金融機関モニタリング)政策がとられる」と述べた。

<国内金融機関に相応のストレス耐性>

日銀の巨額の国債買い入れと金利低下により、金融機関の主要収益源であった国債運用益が低下しており、日銀による金融機関考査による金融システムの安定維持確保も注目されている。   総裁は、「大手金融機関が海外展開を幅広く行っていることや、地域金融機関の収益力がやや低下傾向にあることは、モニタリングの重要ポイント」と指摘。同時に「金融機関は全体として充実した資本基盤を有しており、金利や為替などのショックが生じても相応に強いストレス耐性を持っている」と指摘した。      今回の決定会合から参加した新任の原田泰審議委員(前早大教授)は、日本が完全雇用となる構造失業率を2.5%と試算、日銀公式見解の3%台半ばと異なっている。黒田総裁は「見方の違いが政策運営の違いをもたらすことはない」とした。    (竹本能文、伊藤純夫)

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