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再送-〔アングル〕日本郵政が地銀に秋波、全国ネットに魅力感じ提携探る動きも

(この記事は27日午後5時46分に送信しました)

[東京 27日 ロイター] - 日本郵政 が地域金融機関に秋波を送っている。4月に発表した中期経営計画でゆうちょ銀行の貯金積み上げ目標を半減させ、同銀の量的拡大路線に対する地銀の警戒心を解く戦術に打って出た。表向きはゆうちょ銀との対決姿勢を崩さない地銀業界だが、水面下では日本郵政の全国ネットワークに魅力を感じ手を組もうとする動きもあり、提携が相次ぐ可能性もありそうだ。

<地銀への配慮>

日本郵政は今月1日に発表した中計で、ゆうちょ銀の貯金積み上げ目標額を従来の6兆円から3兆円に引き下げた。会見した西室泰三社長は、1つ目の理由として現実的な目標に練り直したと説明したが、注目されたのが2つ目の理由だ。

「地銀や信金、信組など今までお付き合いをしなかった金融機関との連携も、これからは国民のためにやらなければいけない」と同社長は述べ、「日本全体の仕組みの中で、生き延びるためにはオープンな態度が必要。それで貯金積み上げ目標を大幅に下げる決断をした」とコメント。将来的に地域金融機関との提携を進めるための配慮を見せたと受け止められた。

地銀業界は、政府が株式を保有したままのゆうちょ銀が規模拡大を図れば、地域金融機関から預金が流出すると警戒する。ある地銀幹部は、西室社長の発言に対して「目標を大幅に下げたと言っても、預金を増やす目標は変えていないではないか」と憤る。

<水面下で提携を探る金融機関も>

ただ、ゆうちょ銀との提携には、地域金融機関にとってメリットが大きいとの指摘もある。金融庁のある幹部は「地銀にとっては、ゆうちょ銀が持つ全国の支店網を使えるチャンスだ」と話す。地域に縛られる地域金融機関が、独自のサービスをゆうちょ銀の持つネットワークに乗せて、全国展開できる可能性をはらんでいる。

実際、2007年に個人向けローンでゆうちょ銀と業務提携したスルガ銀行 は、ゆうちょ銀の支店網で住宅ローンを提供。昨年9月までの間に累計2877億円の住宅ローンを実行している。

先の金融庁幹部は「地方銀行が、郵政に関するすべての事項に反対という杓子(しゃくし)定規な考え方はいかがなものか」と話し、ゆうちょ銀の預け入れ限度額の引き上げには一致して反対しても、シナジーが見込めそうな分野では提携に踏み切る可能性があるとみる。

地域金融機関も、本音は複雑だ。「スルガ銀行の成功例をうらやましいと思うところもあるだろう」と、ある地域金融機関幹部は打ち明ける。

西室社長も23日の会見で、地域金融機関と提携をめぐって個別に交渉していることを認めた。収益環境が厳しい中で、ゆうちょと提携して自行の営業基盤を抜け出す決断をする地銀が出てくるのかどうか、注目を集めそうだ。 (和田崇彦 編集:布施太郎)

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