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〔焦点〕中国指導部の学歴に変化、エンジニア優遇から管理能力重視へ

 ◎政治局員に博士号保有者が増加

 ◎1980─90年代、軍関係者からエンジニアに世代交代

 ◎現在は文科系指導者が台頭

 ◎地方経験や血縁関係も出世に影響

 [香港 1日 ロイター] 中国重慶市トップの孫政才・市党委員会書記(49)は、同氏の博士論文によると、中国北部で輪作向けにさまざまな肥料を試みたことにより中国農業大学から博士号を取得した。人口が多い中国でこうした研究は穀物生産量を増やすためには不可欠だが、エンジニアが伝統的に指導部ポストを占める中国で政治キャリアに役立つようにはみえない。

 孫氏は今後の中国政界における変化を体現している。

 ロイターによる中国指導部のコネクション・キャリアに関するデータベースアプリ「コネクティッド・チャイナ」によると、中国共産党では幅広い高等教育を受けた人物が指導層に広がっている。

 孫氏は昨年11月の党大会で党指導部である政治局員に選ばれた25人の中で、博士号を持つ5人のうちの1人だ。25人の政治局員は全員が最低でも短大卒となっている。

 専門家の中には、高等教育を受けた指導者の増加は中国経済や社会の複雑さが増していることの産物だとの見方もある。

 党の進化も見逃せない。革命世代の指導者は、続く工業化のためにエンジニアに道を譲ったが、今度は世界2位の経済大国となった中国をうまく管理・運営するため世代交代を進めている。

 清華大学地球科学センターの宮鵬教授は「社会が成熟すると、さまざまなバックグラウンドを持ったリーダーシップが有益だ」と指摘。「彼らは異なる考えやスキルをもたらしてくれる」と説明する。

 コネクティッド・チャイナによると、現在の政治局員はこれまでに比べて博士号や大学院の学位を持つメンバーがはるかに多くなっている。

 また、学歴だけが出世に至る唯一の道では必ずしもない。地方勤務時代の党への忠誠心や従来の指導部との血縁関係も重要な位置を占めている。

 <25人中5人が博士号>

 現在の指導部で孫氏の他に博士号を持つのは、国家主席に就任する予定の習近平・党総書記だ。習氏は清華大学で農村市場を研究した。

 首相に就任予定の李克強・副首相は、北京大学から経済学の博士号を取得した。

 劉延東・国務委員は吉林大学で中国の政治学理論を学び、李源潮・政治局員は中央党校で法学博士号を取得した。

 政治局員ではこの他に9人が修士号を持つ。1992年に選出された当時の政治局員では胡錦濤、温家宝両氏の2人のみが大学院の学位を持っていた。

 教育内容も変化した。

 10年前には政治局員の大卒メンバー20人のうち15人がエンジニアリングか物理科学を学んでいたほか、2002年に就任した最高指導部・政治局常務委員9人のうち、8人がエンジニアで、1人は地質学者だった。

 一方、現在の政治局員でエンジニアは4人にとどまる。数としては経済学やファイナンス、経営管理を学んでいたメンバーの方が多い。法律や人文科学、社会科学を学んでいたメンバーも急速に増えている。

 現在7人となった政治局常務委員にエンジニアはわずか2人にとどまる。化学工業分野の学士号を持つ習近平氏と、ミサイル制御技術を学んだ兪正声氏だ。

 清華大学の宮教授は「マネジメントを学んでいないエンジニアはおそらく、良い管理者にはなれないかもしれない。現在のこうした流れは中国における統治の質を改善すると考えている」と述べた。

 <男性優位は変わらず>

 省レベルの党指導者経験の重要性も高まっている。

 1992年には政治局員23人中、省など地方の党トップ経験があるメンバーは9人にすぎなかったが、現在は25人中、現役の重慶市トップである孫政才氏を含め19人がこうした経験を持つ。

 党指導部で学問領域の多様化が進む一方、革命世代から変わらない事実もある。男性優位だ。

 現在の政治局員で女性は劉延東氏と孫春蘭氏の2人だけ。政治局常務委員には1人もいない。

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