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訂正:〔特集:オリンパス損失隠し〕上場維持問題、「重大性」の東証判断が焦点に

*この記事は6日午後8時20分に配信しました。

訂正:本文8段落目のIHIについて、「法令違反とはならず」を削除し訂正します。

 [東京 6日 ロイター] オリンパス7733.Tによる損失隠ぺいの実態を明らかにした第三者委員会の調査報告を受け、東京証券取引所[TSE.UL]は同社株式の上場を維持するかどうかの判断を下す。上場維持を求める声は株主だけでなく民主党などからも出ているが、同時に何らかの理由で債務超過となれば上場廃止というシナリオも否定できない。何よりも、不正経理をM&A(合併・買収)などでカモフラージュした同社トップ幹部による巧妙な損失隠しによる影響の重大性を東証がどう判定するか、その裁量が上場問題の行方を決める大きなカギになりそうだ。

 <「反社会的勢力の関与なし」は上場維持に追い風>

 第三者委員会による調査の中で、大きな注目点になったのは反社会的勢力の関与の有無だった。過去に反社会的勢力との関係が原因で上場廃止になった例はない。しかし、金融機関による融資の可否にも影響するため、もし指定暴力団などに資金が流れていたとすれば、オリンパスにとって、会社としての存続にも大きな影響を及ぼすとの見方が多かった。

 6日に公表された第三者委の報告は、反社会勢力の「関与は認められなかった」と結論づけた。この問題は東証の上場廃止基準に盛りこまれているため、この項目がクリアになったことで、反社会勢力との関連性における上場廃止基準への抵触は一歩後退したと言えそうだ。

 <決算訂正、期限までの提出も条件>

 オリンパスにとって、もうひとつの関門は7─9月期の四半期報告書や過去5年分の決算訂正を12月14日の期限までに提出できるかどうかだ。オリンパスはこれを最優先課題とし「鋭意努力している」と表明している。オリンパスの一部株主によると、「監査法人は6時間シフトを3回の24時間体制で、オリンパスの四半期報告書の作成作業を続けている」状況。14日までに提出できなければ即座に上場廃止が決まるため、上場を維持したいオリンパスとしても、避けて通れないハードルだ。

 <債務超過の有無も上場問題を左右>

 14日までにオリンパスが出すとしている過去の訂正決算で注目されるのは、同社の巨額の損失により債務超過に陥っていたかどうかという点だ。6日の第三者委の報告書では、オリンパスが過去の買収で計上したのれん代のうち、約416億円が過大に計上されていたと公表した。2011年3月期末の純資産は1668億円。過去の決算訂正を反映させても、現時点では債務超過にはならない可能性が高まった。

 これまでに債務超過に陥っていて上場廃止になった典型例としては、粉飾決算による有価証券虚偽記載の罪に問われた旧カネボウのケースがある。カネボウは、複数年にわたり連結債務超過だったが、資産超過だったと開示し、2005年6月、有価証券虚偽記載と監査法人による意見不表明で上場廃止になった。今回オリンパスが、14日までにどのように過去の決算を修正してくるか、詳細を見極める必要はあるものの、現段階では債務超過の問題はクリアになった可能性がある。

 <重大性の度合いを重視>

 最大の焦点は、損失を先送りし、虚偽の決算書などを開示してきたことによる「影響の重大性」の度合いだ。東証は、上場を維持するか廃止するかの判断基準として、重大性が高いか否かを重視しているが、その判断基準は明文化されておらず、明確ではないため、「かなりの部分で東証の裁量、または政治的な影響が及ぶ」(法曹関係者)という。

 過去に重大性が高いと判断された例としては、ライブドアや西武鉄道、カネボウなどがあり、これらは上場廃止になった。しかし、IHI7013.Tの場合は(訂正)行政処分として課徴金が課せられ、一時東証の監理銘柄に指定されたものの上場は維持された。

 過去の上場廃止銘柄について、東証社長が記者会見などで行った発言で共通するのが、「事の重大性、性質や期間、組織ぐるみで行っていたか否か、事態の表面化に至るまでの対処の適正性など、証券市場に及ぼした影響を総合的に検討し判断する」(鶴島琢夫社長・当時)という内容がある。「総合的な判断」には、東証のみならず、財務省や政治的な力学が働くとされ、明確なベンチマークがない。

 6日の第三者委の報告書では、今回の損失先送りについて「企業ぐるみの不祥事が行われたわけではなかった」と結論付けた。しかし、会社法の専門家によると「第三者委がどのような意味をもって”企業ぐるみ”と表現しているかは不明だ。その内容によって”重大性”の意味が変わってくる」という。上場廃止にならないための「願望が込められているのではないか」とも指摘している。

 今後、東京地検や警視庁、証券取引等監視委員会による捜査・調査が進んで新事実が判明したり、何らかの処分が出されれば、東証による上場維持・廃止の判断にも影響を与えそうだ。

  (ロイターニュース 江本恵美、平田紀之、編集:北松克朗)

※(emi.emoto@thomsonreuters.com;03-6441-1816;ロイターメッセージング:emi.emoto.reuters.com@reuters.net) 

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