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産業革新機構、出版界の電子書籍会社「出版デジタル機構」に150億円出資へ 4月2日設立

 [東京 29日 ロイター] 官民ファンドの産業革新機構は29日、出版業界が設立する電子書籍事業会社「出版デジタル機構」に最大150億円を出資すると発表した。出版界が約20億円を出資する新会社で、機構が9割近くを占める最大株主になる。

 新会社は4月2日に設立。電子書籍事業のうち、出版物の電子化、データ保存、電子書店への取り次ぎサービスを展開する。電子書店は手掛けず、出版社と書店をつなぐ電子書籍のインフラを構築していく。出版界の出資は、講談社・集英社・小学館の出版大手のほか、新潮社・筑摩書房・文藝春秋など14社。革新機構は4月下旬以降に出資を開始する。

 現在、出版社は国内に4000社あるが、電子書籍を手掛ける出版社は400社にとどまる。また、紙の書籍の市場規模が1.9兆円に対して電子書籍市場は600億円。新会社の社長に就任する植村八潮氏(東京電機大学出版局局長)は同日の記者会見で、新会社は5年後に100万タイトルを電子化し、全出版市場の10%に当たる2000億円の市場創出を目指すと発表した。また同氏は「2000億円は紙の市場を減らすのではなく、プラスで目指す」と述べた。

 新会社の取締役に就任する野間省伸・講談社社長も記者会見で「電子書籍元年と呼ばれた2年前(2010年)から、電子書店が次々にできて、スマートフォンやタブレットなど端末も増えたが、コンテンツは大して伸びていない。新会社は出版社が主体なので一気にタイトルが増やせる」と述べた。

 同日、新会社の設立会見に同席した革新機構の能見公一社長は「新会社の強みは出版社が結集したことにあり、(市場拡大の阻害要因になっていた)コンテンツ問題が大きく前進する。中長期の視野での資金投入は合理性があると判断した」と述べた。

 現在、電子書店は20社程度が参入。ソニー6758.Tの「リーダーストア」、シャープ6753.Tの「ガラパゴスストア」、大日本印刷7912.TグループとNTTドコモ9437.Tの共同出資会社トゥ・ディファクト(東京都品川区)が運営する「honto」、凸版印刷7911.T系のブックライブ(東京都台東区)が運営する「BookLive!」などがある。

 ブックライブは28日、日本政策投資銀行、三井物産8031.T、東芝6502.T、NEC6701.Tの4社を引受先とする第三者割当増資を実施し29億円を調達すると発表した。4社と資本提携することで、サービスが林立する電子書籍市場の業界標準の確立を目指すという。

 (ロイターニュース 村井令二)

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