[東京 31日 ロイター] 韓国サムスン電子005930.KSが日本で展開するスマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)やタブレット端末で、米アップルAAPL.Oの一部特許を侵害したとして、アップルがサムスンの日本法人を相手取った訴訟で、東京地裁(東海林保・裁判長)は31日、アップル側の請求を棄却する判決を言い渡した。
東海林裁判長は、サムスンの製品で採用されている技術について、アップルの発明した「技術の範囲に属するとは思えない」と述べ、サムスンによるアップルの特許権侵害はないと判決を下した。訴訟費用はアップル側が負担するとした。
問題になっていたのは、パソコンなどに保存されている音楽や映像などをスマホやタブレット端末に送る、いわゆる「同期」と呼ばれる操作に関わる技術。対象製品は、スマホの「ギャラクシーS」と「ギャラクシーS2」、タブレットの「ギャラクシータブ」、「ギャラクシーノート」など。アップルは同技術をスマホの「iPhone(アイフォーン)」やタブレットの「iPad(アイパッド)」に使用している。
アップルはこの特許侵害でサムスン側に1億円の損害賠償を求めていた。判決結果についてはコメントを控えた。一方、サムスンは「判決結果を喜ばしく思う。われわれの製品がアップルの特許を侵害していないことが確認された。引き続き、革新的な製品をユーザーに届ける」とのコメントを発表した。
日本では、NTTドコモ9437.TとKDDI9433.Tが「ギャラクシー」シリーズを販売している。判決後、ドコモは「知的財産権については、従来より第三者の権利を侵害していないかどうか、メーカーと分担してチェックしており、今後もチェックを進めていく」(広報)とコメント。KDDIは「現時点では大きな影響はないと見るが、今後の動きを注視したい」(広報)としている。
(ロイターニュース 白木真紀、斎藤真理;編集 久保信博)
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