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米「財政の崖」回避に向けた動き再開、大統領は27日朝ワシントン到着

 ◎共和党のベイナー下院議長、上院に対し独自法案の提示呼び掛け。

 ◎オバマ米大統領、27日朝方にもワシントンに到着する見通しに。

 ◎連邦債務は12月31日に上限到達の見通し。財務省は対策発表。

 [ワシントン/ホノルル 26日 ロイター] クリスマス明けの26日、米「財政の崖」回避に向けた動きが再開した。増税や強制的歳出削減の発動まであと1週間を切るなか、時間との戦いになっている。

 こうしたなか、こう着打開の兆候も出てきた。共和党のベイナー下院議長は26日、上院に対して独自の法案を提示するよう呼びかけたうえで、上院が可決した法案について少なくとも討議はする、と約束した。

 一方、オバマ大統領はハワイでのクリスマス休暇を切り上げて、27日朝方にもワシントンに戻り、議会とギリギリの折衝を行う見通しだ。

 ホワイトハウスと共和党との意見の隔たりが依然として大きいなか、「財政の崖」回避に向けた法案可決への期待感は、上院に移っている。

 民主党は上院の過半数を握っているものの、富裕層を対象とした増税などを可決するためには、共和党議員の一部が賛成に回る必要がある。

 ある政府高官は、オバマ大統領の同行記者団に対して、マコネル上院院内総務やベイナー下院議長ら議会の共和党指導部は「財政の崖」回避に向けて協力すべきだ、と主張した。

 議会での協議こう着は、一般の米国民にも影響を及ぼし始めている。

 米マスターカード・アドバイザーズの小売り調査部門スペンディングパルスによると、今年の年末商戦は10月28日から12月24日までの売上高が0.7%増と、前年同期の2%増から鈍化した。増税への警戒感から、支出を控えた可能性がある。年末商戦に関するその他の統計も振るわず、26日の米国株式市場では、小売り株を中心に売られた。

 <上院が鍵>

 ベイナー下院議長と共和党指導部は、声明で「上院がまず行動を起こす」必要があると強調した。これでボールは民主党が過半数を占める上院に移った。上院の法案は、年収25万ドル以下の世帯のみ減税を継続するという内容の、以前に可決した法案がベースになる可能性が高い。

 リード民主党上院院内総務のスポークスマンは、強い口調の声明を発表し、共和党に対して「条件反射的な妨害行為をやめるよう」求めた。

 ベイナー下院議長ら共和党指導部は、上院が下院に新たな法案を送付した場合「下院は、承認するか、追加条項を付けて上院に送り返すかを検討する」と表明。「下院は上院が可決するいかなる法案に対してもこうした対応をとる。だが上院がまず行動しなければならない」と述べた。

 しかし、上院の共和党議員が一部、民主党案の支持に回ったとしても、残された時間は少ない。上院は27日に休暇から戻るが、ハリケーン「サンディ」からの復興支援など他の法案の審議も予定されている。

 また、下院でも、過半数を確保するためには、民主党議員の191人全員のほか、共和党議員のうち26人の賛成票が、最低限必要となる。

  間に合わなかった場合には、議会が全ての所得層への増税をいったん容認した後、1月第1週に最富裕層を除いて減税を行うとともに、1090億ドルの歳出削減を先送りすることで合意する可能性もある。

 こうすれば、議員は増税ではなく「減税」に票を投じることになる。

 <連邦債務は12月31日に上限到達へ>

 米財務省は26日、連邦債務が12月31日に上限に到達する見通しを発表。債務不履行(デフォルト)を避けるための対応策を発表した。

 財務省は12月28日に州や自治体向けに発行している証券の発行を停止すると発表。また、公務員の年金基金への投資を取り止めるなどその他の策を講じると明らかにしたが、開始の時期には言及しなかった。

 ガイトナー財務長官は議会の代表者向け書簡の中で、これらの通常とは異なる措置で連邦債務の上限までに約2000億ドルの余地が生まれるとコメントした。同長官によると、これらの措置で通常、上限到達までに約2カ月の時間を稼ぐことができる。1月初めから一連の増税や歳出削減が計画通り実施されればさらなる時間的猶予が生まれるという。

 ガイトナー財務長官は政策の方向性が明らかになり次第、措置を講じる期間についてさらなる詳細を公表する、とした。アナリストの間では財務省が措置を講じることで、2月まで乗り切れるとの見方が優勢だ。

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