[上海 28日 ロイター] 中国は香港近くの経済特区の企業を対象に、香港の銀行からの人民元融資を認める規則を制定した。中国人民銀行深セン支店がウェブサイトで発表した。
深セン市にある経済特区の前海地区の企業に、香港の銀行から人民元融資を受けることを認めるもので、期間や金利は個別に設定できる。
人民銀行は「クロスボーダーの人民元融資事業は、前海地区に重要な金融支援を与えると同時に、人民元の国際化を加速させる」としている。
香港の銀行の人民元融資サービス事業を拡大し、オフショアの人民元市場の流動性を促すことも念頭に置いている。
香港金融管理局(HKMA)は28日、香港と中国本土間の人民元利用・流通を促す措置だとしこれを歓迎。「前海地区の発展支援に向け、香港の成熟したオフショア人民元サービスのプラットフォームを活用することが容易になる」との声明を発表した。
市場関係者は、「ミニ香港」と呼ばれる前海地区のテストケースで政府がどれだけ積極的な措置を打ち出すか注目していた。
プロジェクトは香港の中国返還15周年を記念し6月に発表されていたが、実際にどれだけ自由化されるか内容はほとんど明らかにされていなかった。