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COLUMN-〔ロイター為替コラム〕G20声明で一段の円安に向けた状況整う

 -- 筆者はロイターの外国為替市場アナリストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています--

By Neal Kimberley

 [ロンドン 18日 ロイター] 円売りを促した日本の大胆な政策に対して、名指しの批判をし損なった20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明により、円JPY=が対ドルで下落する余地が拡大したかもしれない。

 そうした批判がなかったため、円は対ドルで18日に94.20円を付けた。94.50─95.00円にはオプション・バリアがあり、ドルの防戦売りが出ることは間違いなく、G20後の反応を調整することも考えられるが、このバリアは突破するとみられる。

 22日の日米首脳会談が、円安の流れへ即座に回帰することを押しとどめる可能性もあるが、それ以降は円安がさらに進む見通しだ。

 日本は2011年以降、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加の是非を検討しており、日米首脳はこれに関して協議するとみられる。TPPへの参加国として中国の名前は挙がっておらず、恐らく貿易に絡む協議の地政学を示唆するものなのだろう。

 これが安倍首相にとっては有利に働くかもしれない。米国がTPPの領域に日本を取り込みたがっているということは、米政府が円の下落ペースや、その度合いについて一段の理解を示しつつあるということを意味していることが考えられる。

 結局のところ、もし円安が日本の景気回復を支援するのであれば、中国に対する域内での対抗勢力としての強い日本を歓迎するだろう米政府の意向にも沿っていると言える。

 日米欧7カ国(G7)やG20の声明に忠実でありながら、安倍首相は既に日本の金融政策の展開が円の価値に間接的に影響を与えるかもしれないという可能性を示唆している。

 安倍首相は18日、為替水準についてどこがいいという立場ではないし、為替を目的としたわけではないが、「金融政策が大きな要因ではなかったかと思う」との見解を示した。

 「アベノミクス」と呼ばれる安倍政権の政策は、日銀による積極的な金融政策を伴っており、彼の言葉から導ける唯一の論理的な推測は、円が下落するはずということだ。

 もう1つの要素も考慮される必要がある。議論の余地があるものの、安倍首相は前回首相を務めた2006─07年よりも、この数カ月のほうが日本経済に影響を及ぼしたということ。この大胆なアプローチが成功したことは、政府がこの姿勢を維持するための支援材料になるだろう。

 今後数カ月で円が1ドル=100円を突破するとの一部のアナリスト観測が浮上していることも恐らく不思議ではない。

  (INVESTMENTVIEWS)

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