[ボストン 11日 ロイター] 元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストで、米ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は11日、米経済が長期的な低成長期に入るとの見通しを示し、今後5年間に再びリセッション(景気後退)に陥る可能性もあると述べた。
教授は、2007年12月に始まった米景気後退が終わりに近づきつつあるとし、今後5─7年にわたり経済成長率は2%程度の低い水準で推移すると予想。1990年代の金融危機以降の日本の成長低迷期を指して「米国はライト版日本になる」と述べ、「失われた10年にはならないが、類似の課題に直面する」との見方を示した。
向こう5年以内に再び景気後退入りする確率は5割と予想した。
また、商業不動産市場の問題が成長の足を引っ張る恐れがあるとし、「商業不動産(セクター)は押し寄せる津波のようなものだ。到来すれば多くの中小銀行が消えることになる」と表明。一方、大手行への影響は不透明で、景気の状況次第だと述べた。
教授はさらに、米政府は債務の拡大と金利上昇にともない早期に増税を行う必要があると指摘。「米国民は、現在の流れから判断して今後どれだけの増税が必要になるか理解していない」とし、「国民は政府なら何でも支援できると思い込んでおり、どのような代償が必要になるかは眼中にない」と述べた。
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