[ワシントン 22日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は22日、6カ月間の短期流動性を供給する融資制度「予防的流動性枠(PLL)」を創設すると発表した。ユーロ圏債務危機の波及に備える。
IMFはPLLについて、柔軟性が高く将来のショックに対する保険や短期的な流動性供給手段として機能すると説明した。
比較的健全な経済政策を採用している国に対し6カ月間の資金を供給する。融資額は各国の出資拠出額の500%が上限で条件を伴う。
また融資期間を1─2年に延長することも可能で、この場合は各国の出資拠出額の1000%が上限となる。ただ6カ月の場合よりも条件が厳しくなるほか、IMF理事会の審査が必要となる。
具体的にどの国が融資基準を満たすかについては言及していない。
IMFはまた、民主化運動で政局が混乱した中東や北アフリカ諸国など、外的要因により緊急の資金需要に直面している国に対する支援制度も導入した。
この場合、即座の資金供給を行うことが可能で、融資額は各国の出資拠出額の最大100%となる。
IMFのラガルド専務理事は「新たな融資制度により、加盟国全体の利益のために、より迅速かつ効果的に対応ができる」としている。